ホリステック(総合)医療に取り組む医師の帯津良一さんの「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(2018年10月30日発行、朝日新聞出版)を読んでいたら、養生訓の研究家の立川昭二さんが老いて生きるためには「一に生活費、二に健康、三に生きがい」をあげていました。
身もふたもないほど、直截的な指摘です。そのうえで、人の世でも心を豊かにして争わずに理にかなったことをすれば、天地が広く感じる。そういう人の命は長い、と続けています。
ひところ、老後を豊かに過ごすためには2000万円の預貯金が必要といわれ、たまげた記憶があります。そこで、少額でも日銭が入る整骨院を始めました。仕事をしていれば、余分なお金を使う心配はないからです。昨日使ったお金は昼食のカレーライスの550円です。
健康は大事ですから、体幹を鍛えるスクワット、腹筋、腕立て伏せを中心に整骨院にあるエアロバイク、レッグエクステンション、バランスボールなどをつかつて、施療の合間に体を動かしています。往復45分の自転車通勤も体によいようです。
生きがいというと何かこだわっている取り組みを示すように感じられるので、私は「好きなこと」ぐらいに受け止めています。患者さんに道楽仕事をいわれる整骨院ですから開院して14年、自分の給料が出るほど稼いだことはありません。年金生活者だからできる仕事です。
少欲知足を心がけると生活費もそんなにかかりません。こんな毎日が「まあまあの老後」と私は受け止めるようにしています。