80歳前の女性は、高さ20センチの台から立ち上がることができません。このままでは、寝たきりに直行しかねない、ロコモ度2です。そこで、スクワット10回、つま先立ちしてからのかかと落とし10回、レッグエクステンションで大腿四頭筋を鍛える運動などに加えて、きくち体操の基本動作の手と足との握手を10回してもらっています。
手と足の握手は、左足の指に右手の指を一本入れずつ手と足をぎゅっと握ってもらいます。これを10回繰り返し、続いてもう一方の右足と左手で握手します。手足の動きがよくなり、転ばない足づくりにもなるとされます。
女性は寝ながら頸にクッションをあててテレビを見ていたことから、頸の痛みが発症しました。同じ姿勢が長時間続けば、血流が滞り、痛みが起こります。
頸痛から運動ができなくなり、手と足の握手を2日間、やめました。その翌日、来院した女性は手と握手をしようとして声を上げました。「手の指が足の指の間に入らない。2日休んだだけなのに」。足の指の関節が硬くなってしまったようです。
私は施療の間の時間を利用して筋トレ&ストレッチをしています。その一つに相撲のしこを踏むように片脚を上げる、片足立ちを左右それぞれ60秒しています。ところが、1日休むとしこを踏むような片足立ちがふらつき、上げた足がついてしまうことが度々あります。「継続は力なり」を感じます。