とある封建時代のとある山村である。例年のこの時期ならシトシトと降る雨が、一粒も降らない空を百姓の与兵衛は畔(あぜ)の上で恨めしげに見上げた。
「この分だと、夏は雨乞(あまご)いだべ…」
「だがや…」
与兵衛の隣りに立つ茂助(もすけ)も、頷(うなず)きながら同調した。この時代、農耕用の水は天候次第だったのである。
そして、暑い夏がやってきた。与兵衛の予想どおり干ばつが始まり、村の牛角(うしづの)神社では村人を集めて雨乞い神事がしめやかに執り行われていた。
「♪%&##~~!”%&#~~~♪」
神主が祝詞(のりと)を読み始めた途端、足らない水が天から落ちてきた。恵みの雨が降り出したのである。めでたし、めでたし…。^^
まあ、雨乞いをしたとしても、必ず足らない水が天から降りだすという保障はありません。ただ、やらないよりは、やった方が気休めにはなります。^^
完