水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

足らないユーモア短編集 (2)買い忘れ

2022年06月26日 00時00分00秒 | #小説

 足らない…と思えるコトの一つに買い忘れがある。これだけは、メモ書きしておこうとおこまいと、あとから気づくのだから、どうしようもない。例えば、アレコレと買う品物の名をメモに書き連ねておいたとしよう。帰宅して、ヤレヤレ…とかなんとかの安堵(あんど)の気分で収納しようとしたとき、ポトフの白菜をっ! …などと奥さん方はお思いになられたことはないだろうか?^^ その足らないわ…とお思いのコトは、どうしようもなく足らないコトなのである。勝手に足らない…とお思いなのだから、これだけは他人にはどうしようもない。^^ たとえ、買い忘れたわ…と愚痴られたとしても、ご主人が、それだけ買っておけば十分じゃないか…などとお思いに違いない。^^
 とある普通家庭である。
「野菜、買い忘れたの。ポトフじゃなくていいっ?」
「…ポトフ? ポトフでも豆腐でも、なんでもいいさっ!」
 ポトフが分からないご主人は、投げ遣りに奥さまに言い返された。
「そおう…。じゃあ、豚汁でも作ろうかしら…」
 ご主人は、新婚当初より10Kgばかり太られた奥さまをチラ見して、共食いだな…とは瞬間、思ったが、そうとも言えず、ニヤリとされた。
 買い忘れて食材が足らないとしても、そこはそれ、工夫次第で、どぉ~~にでもなるのである。この場合の足らないの解決法は工夫・・ということになる。^^

                   完


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