あんたはすごい! 水本爽涼
第ニ百十四回
久々にのんびりできた日、私は浴槽に浸かりながら一心に念じていた。こちらから玉にコンタクトをとるためである。いつぞや、浴槽に浸かっていたとき、玉からお告げが入った、ということが記憶にあったのだ。
目を閉じて一心に念じていると、やがて耳鳴りがし始めた。そして一分後、玉のお告げが聞こえたのである。
『はい、なにか?』
お告げは驚いたという風でもなく、さも平然とした感じで語りかけた。
「い、いえ、別に用はなかったのですが…」
『ああ…ご入浴中でしたか。いい湯加減のようですね』
「えっ? ああ、まあ…」
私は少々、浴室の湯気で逆上(のぼ)せていた。
『上がられてからの方がいいみたいですね。では、のちほど…』
お告げはコンタクトがとれたことには触れず、一端、途絶えた。私が念じたのは、試(ため)した程度の軽い気持だったから、まさか、お告げがすぐにあるとは思っていなかった。で、ドギマギしてしまった、というのが正直なところだった。浴槽から出た私は身体を乱雑に拭(ふ)き、下着を身につけた。そして、バスローブを纏(まと)うと寝室へ急いだ。別に眠かった訳ではなく、玉とゆったり語れる場所が欲しかった。
第ニ百十四回
久々にのんびりできた日、私は浴槽に浸かりながら一心に念じていた。こちらから玉にコンタクトをとるためである。いつぞや、浴槽に浸かっていたとき、玉からお告げが入った、ということが記憶にあったのだ。
目を閉じて一心に念じていると、やがて耳鳴りがし始めた。そして一分後、玉のお告げが聞こえたのである。
『はい、なにか?』
お告げは驚いたという風でもなく、さも平然とした感じで語りかけた。
「い、いえ、別に用はなかったのですが…」
『ああ…ご入浴中でしたか。いい湯加減のようですね』
「えっ? ああ、まあ…」
私は少々、浴室の湯気で逆上(のぼ)せていた。
『上がられてからの方がいいみたいですね。では、のちほど…』
お告げはコンタクトがとれたことには触れず、一端、途絶えた。私が念じたのは、試(ため)した程度の軽い気持だったから、まさか、お告げがすぐにあるとは思っていなかった。で、ドギマギしてしまった、というのが正直なところだった。浴槽から出た私は身体を乱雑に拭(ふ)き、下着を身につけた。そして、バスローブを纏(まと)うと寝室へ急いだ。別に眠かった訳ではなく、玉とゆったり語れる場所が欲しかった。