水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

スピン・オフ小説 あんたはすごい! (第二百十二回)

2011年01月24日 00時00分00秒 | #小説
 あんたはすごい!    水本爽涼
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
    
第ニ百十二
「あの…一度、お訊(たず)ねしようと思っていたのですが、こちらからはコンタクトは取れないものでしょうか?」
『ああ、そのことでしたか。それは沼澤さんにお聞きになった筈(はず)ですよ。一度、目を閉じて念じてみてください。私と語りたいと…一心に』
「一心に、ですか?」
『ええ、そうは難しくないでしょう。あなたの霊力は、かなり向上していますからね』
「そうですか。では、次の機会には、是非やらせてもらいます。あっ! それから、私はこのまま大臣でいるのでしょうか?」
『そのことは霊界の決めで云えないと、いつぞやも申しました。許される範囲で私が答えるとすれば、この前、お見せした映像の断片のとおりになる、ということだけです』
「ということは、いつまでも大臣って訳じゃないんですね?」
『ははは…。それは普通でもそうじゃないでしょうか。いつまでも大臣をやっておられた方を私は存じ上げませんが…』
「いやあ、これは参りました。仰せのとおりです」
『随分と長話になりましたね。それじゃ、この辺りで…。ああ、そうそう。次はあなたの方からお願いしますよ』
 お告げがスゥーっと引くように終った。私は霊感のせいか、玉の念力が去るのを感じた。

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