中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

かたち塾「塩香を作り、愉しむ」栃木美保さんをお迎えして

2016年08月26日 | かたち塾、アート鑑賞いろは塾

9月18日の第8回かたち塾「塩香(しおか)を作り、愉しむ」は少し先のお知らせになりますが、準備の都合がありますので早目にご案内いたします。
“塩香”というのは植物を塩漬けにするモイストポプリです。密閉しておけば、時間をおいても香りが飛ばず、むしろ発酵してまろやかな香りになってきます。身近な植物が持つ香りについて関心を寄せてみたいと思います。

“香り”といえば合成洗剤や柔軟剤、シャンプー、芳香剤、衣類の防虫剤、トイレットペーパー、化粧品、食品等々。身近に強い香りが充満しています。強い匂いに苦痛を感じている方も多いのではないでしょうか?私はこれらの“香り付き”製品が苦手です。押し付けがましい人工の香りは神経を苛立たせて決してくつろがないのです。ご近所から漂ってくる洗濯洗剤の匂いに仕事中も悩まされています。(ーー;)

しかし、草木で染色をする際に煮出しをしますが、その時には思わず深呼吸して匂いを嗅いでしまうぐらい、いい香りがします。植物によってその香りはもちろん違い、ただ木を眺めているだけでは感じられない匂いもあります。
植物がもつ香りは生き物としてのそれなりの役目があると思うのですが、改めて植物の香りを聞いてみましょう。
昔から日本人もその香りを暮らしに利用してきました。たとえば衣類の防虫剤としてクスノキから作る樟脳は今も使われています。


今回は身近な植物、あるいは果物の皮、スパイスなども含め、栃木さんが用意してくださる乾燥させたものをベースに、持ち寄ってもらう生の植物の葉、茎、花、実など、香りを嗅ぎ分けながら、自分に合う心地よいものを数種類ブレンドして塩漬けにしていきましょう。
森林浴などすれば一番ですが、小さな瓶に身近な草木の匂いを詰め、改めて“香り”を確認しましょう。

造形作家でアロマセラピストの栃木美保さんにご指導をいただきながら作業を進めます。
栃木さんは和紙や麻布、植物、精油など使った作品を創られる方です。

この7月にも栃木さんの「 天の川 -七夕まつり- 」と題された展覧会(ギャラリー 水・土・木)で、麻布に竹の葉を挟んで縫い止め(手縫いですごかったです!)、天井からたくさん吊り下げた作品を拝見してきました。
七夕に絡めたものですので、来場者は願い事を和紙の短冊に書き、竹飾りに付けるという参加型のインスタレーションでもありました。

11年の同ギャラリーでの栃木さんの展覧会を観ての当ブログ記事はこちらから。

昨年松濤美術館などを巡回した「スサノヲの到来」展にも展示されていました。細い麻布を272本垂らした円形のスペースで、ふたつきのガラス容器の蓋を開けて、四季を意識してブレンドした植物の香りを体験できる展示でした。
また塩香のワークショップもあり、栃木さんから指導を受けて作りましたが、今もいい香りで工房に置いてあります。透明なガラス瓶に詰めておくと眺めても楽しめます。

昨年の紬塾の染の回では急遽、庭の金木犀の花で塩漬けも作りました。
上の画像の左端が一年後の金木犀です。色は茶色になってますが香りは残っています。
こちらのブログもご参考までご覧ください。

自分が好きな香りの植物を1~3種ぐらい持ち寄りましょう。
庭がないかたでも公園や道端でホンの少し葉をちぎって匂いを調べてみてください。思いがけない発見が意外にあると思います。野菜や果物、ハーブでも使えるものもあるかと思います。

栃木さんは乾燥させたものを用意してくださいますので、みなさんには生の状態のものを用意してもらいます。当日採集か前日などの場合は水に活けておいて、生気ある状態でお持ちください。
みんなで順番に嗅ぎ分けながら、好きなものをチェックし、あとから塩とともに瓶に詰めていきます。
蓋付の瓶1本はこちらで四角いタイプのものを用意します。
一人2本作りたいので、もう1本はご自分でご用意ください。

100円ショップでも密閉瓶は売られています。ジャムの空き瓶などの場合は150~200ccまでの容量でお願いします。上の画像の真ん中、うめジャムの瓶は200ccです。

私は桜の葉を持っていこうと思いますが、そのまま嗅いでもあまり匂いはないのです。煮出していると桜餅の匂いがするのですが、塩に漬けることで香りが出てくるのでしょう。桜餅の葉は大島桜の葉を塩漬けにしたものですから。
とにかくいろいろ試して何か発見なり、気付きがあれば良いと思います。

どなたでも参加できます。準備の都合がありますのでお早めにお申し込み下さい。
不明な点はお問い合わせください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第8回かたち塾 「塩香をつくり、愉しむ」
造形作家、アロマセラピストの栃木美保さんを講師に迎えて、
塩香=“香りの塩漬け” 作りのワークショップと、「香りと匂い」をめぐるレクチャーを行います。

ゲスト: 栃木美保(造形作家・アロマセラピスト)
コーディネーター: 笹山 央(かたち塾主宰)
日 時: 2016年9月18日(日)13時15分~16時30分
会 場: 小田急線成城学園前駅近くの施設(お申込の方に詳細お知らせします)
受講料: 3,500円 材料代、茶菓子代込(かたちの会サポート会員は3,000円)
持ち物: 身近な植物の花や葉など香りのあるものを1~3種類
    ※塩香の材料(瓶、塩、植物等)はご用意いたしますが、お好みの香りのものをお持下さい

お申し込みと詳細はこちらから。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小千谷縮でお墓参り | トップ | 第5回紬きもの塾――  桜、... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

かたち塾、アート鑑賞いろは塾」カテゴリの最新記事