中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第6回紬きもの塾―― 織物設計

2016年10月03日 | 紬塾 '13~'16


染織コースの次の最終回の機織りに備えて織物設計をしました。
他には緯糸の糊付け、管巻きです。

まず糊付けからしました。
真綿の糸は毛羽立ちがあり、そのままでは使えません。布海苔と生麩を合わせた糊を工房では作っています。布海苔は乾いても柔らかく、正麩は固いです。程良い加減に合わせます。天気によっても濃度を変えたり、糸質でも分けたりしています。良い織物を織るにはとても重要な仕事です。
ただ、固くつければ良いのではなく、糸巻きができるぎりぎりに付けます。後で湯通しの時、糊が落としやすいからです。
また風合いを出す上でも糊付けした糸をテーブルなどで打ちつけ、ウェーブを
出してから乾燥させると風合い良く織ることができます。これも皆さんにもやってもらいました。

続いて、織物設計です。
私は普段の設計では糸の重さで必要量の計算をします。長さで設計することはよほどギリギリの糸量の時以外しないのですが、みなさんがつむいだ糸はほんの僅かですので綛周と回転数で全長を出し、織り幅で割り何越し分使えるかを割り出しました。
まずその計算からはじめ、次は自分の糸は使い切るデザインにして下さいという課題でデザインをしてもらいました。糸の制約をデザインの軸にするわけです。

今年の4人の方はみなさん呑み込みが早く、(ホントです~!^^)デザインも比較的すんなり決まっていきました。
上の画像は各自使う予定の他の糸を選び織りに備え確保したものです。
どんな布に織りあがるのでしょう。。

緯糸の管巻きの指導。固すぎず緩すぎない紡錘形に巻きます。

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