中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

『現代工芸論』が都立高校の入試問題に採用されました!!

2015年02月26日 | 工芸・アート
以前のブログ記事でもご紹介しましたが、昨年4月に出版された笹山央『現代工芸論』(蒼天社出版)の第三章「美しいもの」であること の中の4.取合せの美の項が都立高校国語の入試問題に採用されました。

昨日の朝刊に問題や回答が挟まれていました。

とても驚きましたが、とりあえず私も早速問題を解いて見ました。結構読解力が試されますね。^^;

でもドキドキしながら答えを選びましたがお陰さまで問題の作成者の回答とも著者の笹山さんの回答とも合致してよかったです。(*^。^*);V

当の著者本人が「難しかった・・」と言ってました。(^O^;)

地道に現代の工芸や美術の領域で本当に大事なことと向き合いながらものを観続け、考え、言葉化し、どんなにマイナーな状況と遭遇しても前を向いて淡々と歩き続ける笹山さんの姿勢は尊敬してきましたが、やっと一般の人々の目に触れる場へ出て同志としてやはり私も嬉しく思います。

しかも中学3年生がこの問題に向き合い内容を理解しながら設問のメッセージも受け止め答えを出していくわけですから、あまりにフェイント攻撃的な内容も含め難しい問題ではなかったのではないでしょうか?
問題の⑤は特に難しいです。自分の経験も踏まえ取合せについて書くというのは・・・でも良い問題ですね。

かたちの会の方などからも「すばらしい!」「自分も読んでいたので本当に嬉しい!」とか「中学生に負けないように問題を解きます!」とか「」メッセージをたくさんいただきました。

ある方からは
「 最も的確な文語かつ正論で記することが困難なジャンルであるにもかかわらず、一般中学生を対象にした基礎読解力問題への採用は、すばらしいことです。
また、問題を作成したと思われる公立国語教諭の探索力とレベルの高さも、嬉しい事です。」
こんなメッセージをいただき、涙が出るほど嬉しく思いました。

こんな時代だからこそ本当のことを考え、伝え、実行していかなければならないと思います。

工芸や美しい手仕事、日本人の自然観や感性の気高さ、不自由さの中のに見出す自由さを大切にしたいです。

今日は嬉しくて『現代工芸論』の中にも名前が登場する曜変天目茶碗を再現された桶谷寧さんの黒織部のぐい呑で祝杯を挙げました。

個人的な喜びにとどまらず、多くの方に『現代工芸論』の本質を読み解いてもらいたいです。

この本を取り上げてくださった方、そして入試問題として承認下さった方々の見識の高さにも敬意を表したいです。

また、改めて、原稿を依頼してくださった編者のギャルリ・プスの市川文江さん、良い原稿だとしてマイナーなジャンルの内容にもかかわらず出版元を引き受けてくださった蒼天社出版の方にも感謝致します。

まだ『現代工芸論』お読みでない方もぜひお手元でじっくりお読みいただきたいです。
図書館でのリクエストも有難いです。
作り手、一般の方にかかわらずおすすめしたいです。

ネットでは現在品薄のようですが、かたち21でも取り扱っています。→

新聞をとってない方は、入試問題はこちらでご覧いただけます。
P.4からですが文章はまだ許諾申請中となっています。
設問は見ることができます。

笹山央さんのブログもご覧ください。

◎紬塾'15のお知らせは今月末28日(土)に致します。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 煌く紬はどこから来るのか | トップ | 第7期「紬きもの塾‘15」の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

工芸・アート」カテゴリの最新記事