「パティシエになりたーい!」ブログ。

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「赤毛のアン」のいいセリフ・48話

2015-11-25 23:14:14 | 赤毛のアン
第48話「マシュウ我が家を去る」より
あれから二日。いよいよ、マシュウがその人生活のほとんどを過ごしたグリーンゲイブルズから去る日が来た。
アンとマリラ、そして参列したアボンリーの皆が時折苦しそうに、悲しそうに涙を流しつつも、物事は淡々と進んでいく…。マシュウの名前が刻まれたお墓の傍らに、静かに立っているアンとマリラ。
(帰り道のジョーシーの発言は本当に「どんな神経してんだこいつは!!」ってなったよ…。まあうちも人のこと言える神経じゃないけどさ、それにしたって…ジョーシー…。ダイアナが一瞬何か言おうとしてやめる仕草をするんだけど、やめないでくれ…。いっぺん殴ってくれそいつ…。)
前回に引き続きナレーションさんが大活躍です。
「…やがて、アボンリーは何事もなかったように平静を取り戻し、グリーンゲイブルズでさえも、見慣れたものすべてに何かが欠けているという辛い思いこそどうすることもできないにしても、前と同じような日課が規則正しく営まれるになった。」
自分の部屋で目を覚ますアン。窓から入る明るい光に気づき、カーテンと窓を開けて外を見る。広がる景色や、もう散り始めていて緑の葉も見える「雪の女王様」を見て、確かに少しだけ微笑んでいるアン…。
アンが庭でバラの花の枝を1本切っていると、そこにダイアナがやって来る。新しいミシンが来たから家に見に来ないかって。おそらく…というか100%アンを元気づけようとして、なるべく楽しそうに元気そうにしゃべってるダイアナが愛しいです。でもアンは、今切ったバラ(マシュウが一番好きだと言っていたバラ)をマシュウのお墓に植えに行くところなので、残念だけど行けないって言う。ダイアナはくじけず、自分もお墓に付き合うからそれから家においでって…ダイアナ;;
お墓のところにバラを植えて…上手く根付くことを祈って。それで、ダイアナの家へ向かう小道の途中で…ダイアナがジョーシーの噂話をして、アンがつい笑っちゃって。その後アンは突然今日はここで帰るって、走って行ってしまう。ダイアナのせいじゃないから気にしないで、と言って…。
向かった先はお墓だった。…ナレーション開始。
「人の死というものを全く知らなかったアンにとって、ここ数日の出来事は意外だった。マシュウがいなくても、その気になれば昔と同じようにやっていけるということが、うら悲しく思えた。自然や花、愛や友情が、これまでと少しも変わらず、アンの空想を刺激し、アンの胸をときめかす力を失っていないこと、そして、人生が依然としてさまざまな声音で強くアンに呼びかけているのだということに気づいた時、…アンは、恥ずかしさと後悔に似たものを感じたのである。」
うん……。わかる、気がするなあ…。
教会へ行ったアンはそのまま牧師館へ行ったらしい。アラン夫人に話を聞いてもらってる…(というか教会内にいたアンに気づいてアラン夫人が家に連れてきた、の方が正解かな?)。
今のアンは、もみの木の向こうから見えてくる朝日や、お花のつぼみを見つけて嬉しくなってしまう自分が許せないらしい。
「マシュウが亡くなったというのに、こういうものを面白がるなんて、なんだかマシュウに悪いみたいな気がするんです。…マシュウがいなくなってとても寂しいんです…始終。それなのに、この世界も人生も、とても美しくて興味あるものに思えて…。今日なんか、ダイアナが何かおかしなこと言ったら、私思わず笑ってしまったんです。…あの事があった時、私はもう二度と笑うことなんかできないだろうと思ったのに。…第一、私は笑ったりしてはいけないんだって気がするんです。」
ずっと黙ってアンの話を聞いていたアラン夫人が、ここで口を開く。
「ねえ、アン?この世にいらしたとき、マシュウはあなたの笑い声を聞くのが好きでしたね。そして、何か面白い事があって、あなたが楽しんでいると分かれば喜んでくれたでしょう?…マシュウはね、今ここにいないというだけなのよ。だから、あなたが楽しむ姿を今までと同じように見たいと思うに違いないわ。自然が心の痛手を癒すように仕向けてくれるなら、私達はそれに対して、心を閉ざすべきではないと思うの。…もちろん、あなたの気持ちはよくわかりますよ。誰も同じ経験をするんじゃないかしら。…誰か愛する人がこの世を去って、私達と一緒に喜びを分かつことができなくなると、自分が何かに心を惹かれるということが許せないような気になるわね。…そして、人生に対する関心が再び戻ってくると、悲しみに忠実でないような気がしてくるのよね…。」
このアラン夫人の長いセリフは……もうほんと、丸ごと覚えておきたいですね……。特に「自然が心の痛手を癒すように仕向けてくれるなら、私達はそれに対して、心を閉ざすべきではないと思うの。」のとこ。アンの、「笑ったりしちゃいけないんだ」って気持ち、すごく、わかる。だけど、心を閉ざすべきじゃない…。
聞いてる時もアンは結構無表情のままなんだけど(うなづくこともしないなんて、本当にいつものアンからしたら考えられない…)、この後、自分が植えたバラの話をする時は、少し表情も晴れやかで…すぐには無理でも、少しずつ閉ざした心を開いていこうって思ってることがわかります。
グリーンゲイブルズに帰ると、マリラが戸口のところに座っていた。多分、アンの帰りを待っていたのでしょう…。
今日はスペンサー先生が来て、明日眼科の名医がシャーロットタウンに来るから検査をしてもらうようにって言われたらしい。留守中の家の仕事の話から、アンが昔した数々の失敗談の話になる。アンは明るく話してるし、マリラもちょっとだけ笑った。きっとこんな普通の会話も、二人にしたら久しぶりだったんじゃないかな…。
そしてまさかの!髪の毛を緑に染めた失敗の話から、ジョーシーの話になった!よりによってお葬式の日に髪が赤いことをまだ言われたって…(くっそー、書くの嫌だからスルーしたつもりだったのにジョーシーめ!)(えー…)
「…マリラ、ジョーシーを好きになろうとすることなんかもうやめようと思うの。これまでそのために涙ぐましいほどの努力をしてきたつもりだけど、どうしてもジョーシーを好きにはなれないわ。」
いいぞ!アン!やめちまえ!! って嬉しがってたら(……)、マリラの衝撃発言が!
「ジョーシーはパイ家の一人だからねえ…。気に障るようなことばかり言う羽目になるのさ。」
パイ家、どういう扱いなんだ…アボンリーで…。すごい言われようやで!!
「あの手の人間でも社会に役立つことが丸っきりないとは思わないけど、せいぜいアザミの効用って言ったところだね。」
ここの「アザミの効用」がわからなくてググってみたんですが…(てか「アザミの紅葉」かと思った)、えーと…、長くて書けないので興味ある方はググってみてください!!(おい…)
その後、部屋の中でお茶しながら話を続けるアンとマリラ。クイーン組の仲間たちが今後どうするのかって…。ギルの事も普通に答えるアンだけど…マリラが、こないだ見かけて男らしくなってたって。父親の若いころそっくりだって…。なんと、ギルのお父さんとマリラはめちゃ仲良しだったらしい!周りには恋人同士だと噂されるくらいに!…でも、ケンカした。向こうが謝ってきた時に許さなかった……。どこかで……聞いたような…話やで……。
「…あの人は二度と私のところにやってこなかった。ブライス家の人間は皆、とても人に頭を下げるのが嫌いだからね…。」
また「家」!(パイ家の話も伏線なの!?) んん…?…そういう…もんなのかなあ?だとするとカスバート家は「全員頑固」とか言われてそうですよね…。アンは実子でも養子でもないけど、カスバート家の人間やしね…。
マリラは悪い事をしたって、後悔してるんだって…。せっかくの許すチャンスだったのにって。
「…マリラにも、若い時のロマンスがあったのね…。」
「今の私を見ただけじゃ思いもかけないだろうね。でも人のことは外見だけじゃ決められないよ。皆、私とジョンの事は忘れてしまったし、あたしだってそう。…でも、この間ギルバートを見たとたんに昔の事を思い出してね。悪い気はしなかったね。」
ここ、普通だとアンのセリフって怒られそうじゃないですか。冗談半分でも、当たり前だ!とかね。でもマリラは淡々と、「思いもかけないだろうね」って言う…。なんか、忘れられないセリフです。その後の「人のことは外見だけじゃ決められない」ってセリフと合わせて。