「ひぐらしのなく頃に」
初めて知ったのはいつだっただろう。
…「月姫」みたいな、同人ゲームらしい、…そのくらいしか知らなかった。
怖い話らしい、ということだけ。
怖い話なら…自分に縁はないなと思ってた。そもそも怖い話が全くだめで、ホラーの映画なんて絶対見れない。「リング」がテレビでやってたとき、偶然チャンネルを変えた瞬間に「テレビから出てくる貞子」のシーンを見てしまって…あれは、今でも忘れられない…。怖いから、努めて思い出さないようにしているけれど。
コミックが何冊か出ても、ほとんど興味を持たなかった。
だけど今年のお正月に弟が帰ってきて、今やってる、と。それで、どうなん?おもしろいん?と聞いたら少しの沈黙の後、「……おもしろい。」と。
一番驚いたのは「選択肢がない」という点。
このときの自分のセリフは、すごく覚えてる。
「そんなんって…ただ読むだけやん?ゲームとしての意味はあるん??」
本で読む行為とどこが違うのかわからなかったし、そこに意味がないならゲームとしてやる価値はない様に思った。
…それは実際、ゲームを始めると…よくわかる。痛いほどに。
でも、怖いゲーム、という点で…なかなか踏み出せずにいた。
だけどPS2版が出るということで、それなら中古になるまで待とうかな、と思っていた。怖さも、抑えられるだろうし。
でも待てなくなったのは…公式サイトの美麗なオープニングムービーを見てから。何度も何度も繰り返し見てしまって、とうとうアマゾンで注文してしまった。
熱に浮かされるように、読みまくった。(実際、1日目は熱が出た)(←……)
私はあんまり推理をして楽しもうという心はないようで、とにかく先が知りたくて知りたくて、すすめまくった。どれだけ読んでもちっとも終わらない感も味わいつつ…、でも次々と真相が明らかになって行く過程は、本当に衝撃。
怖くて、背中をあけては眠れなくなったり、夢にもガンガン影響が出たりもしながら読み続けて…最初、自分が抱いた印象を思い出す。
『選択肢がないのなら、ゲームとしての意味はどこにあるのか。』
ある。あった。確かに。
私は「原作」は未プレイだけど(PS2版には選択肢が存在する)…「ひぐらし」に選択肢が必要なかった、というのはすごく理解できた。
逃れられない惨劇。逃れられない運命。
何度もそれに巻き込まれ…だけど動かしがたいそのシナリオの中、一つの希望を求め、探し、見つけていく…
これは「彼」の物語。これは「彼女」の物語。
自分にとって、忘れられないゲームとなった「ひぐらし」を、また、記録として残そうと思う。
だけど、本当に…何を書いてもネタバレになってしまうから、MOTHER3以上にネタバレへの配慮は必要だろう。
何も知らないまま、雛見沢へ。絶対に、それが一番楽しめる。
そして、きっと…私はしなかったけど、推理することが、「ひぐらし」の醍醐味。
正答率1%…。挑戦してみては、いかがでしょうか。
「これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。
それだけが私の望みです」