「自分もだませないような嘘をつくのはやめなさい」
と言ってたのは…月姫の「先生」だったっけ?聞いてるほうも不快にさせるって…
嘘だ。
あれは嘘だった。
言った自分も、口を歪ませたくなるほどの。滑稽な強がりだった。
心にもない言葉を、訂正しようかと思ったけど
あまりに呆れて、そんなこともできなくなった。
宙に浮いたままの嘘。
それが気になって、自然と口は閉まりゆく。
放った言葉を悔いながら、それでも繕う事をせず。
いっそこの嘘が本当になってしまえと思った。
私の覚悟ひとつで本当になる嘘
本当になれば、無駄な夢を見ずにすむ。
そして、嘘をついたことを
こんなにも気にすることもなくなるのに。