ウィトラのつぶやき

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出口の見えないギリシャ経済の立て直し

2011-09-15 08:33:26 | 経済

最近また、ギリシャ政府の経済的破綻がクローズアップされてきている。一時、オランダの首相だったと思うが、ギリシャをユーロから切り離すことを提言していたが、最近フランスとドイツはユーロ堅持を言っている。

ギリシャ政府も財政破綻を何とかするために、支出の切り詰めや公務員給与の切り下げを行い、ギリシャでは大規模なデモやストが行われた。最近のイタリアが似たような状況である。しかし、ギリシャの財政は好転していない。経済が縮小して税収が減って財政赤字は改善しないという状況である。私は一時的にギリシャユーロというようなものを導入して通貨切り下げを行うしかないのではないかと思っている。

こうするとギリシャ通貨は価値が下がり、ギリシャの品物の価値は下がる。ギリシャから見れば輸出品は値下がりして輸入品は値上がりすることでバランスが取れてくる。国民は物価が上がるという経済的に苦しい状態に陥るがいずれ輸出が増えて改善してくる。

収入が下がるのと物価が上がるのは同じように思うが大きな違いがある。それは借金の価値が上がるかどうかである。通貨切り下げならば借金の価値も下がる。しかし収入減少では借金の価値は変わらない。相対的に借金返済の重みが増すために生活改善につながらないのだと私は思っている。

これまで、借金を8割返せばよいとか、7割返せばよいとか言った、返済を減額するという話は聞いたことがない。借金は全額返済するか、破産して踏み倒すかで、どちらかが大きな痛みを伴うことになる。通貨切り下げは借金の価値を部分的に下げる効果がありこれが有力だと思っている。

一旦ユーロから切り離して、経済が安定してくればその時点での通貨変換比率、1対1.5とかでギリシャユーロを再びユーロに組み込む、これが解決策ではないかと思っている。

日本でも夕張市のような財政破綻した都市ではこういうやり方を考えても良いのではないかと思う。