ウィトラのつぶやき

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ドコモがフェリカからNFCへの移行シナリオを展示

2011-02-17 11:08:30 | 経済

バルセロナの展示会でドコモがおサイフケータイの技術をフェリカからNFCに移行するシナリオを見せている。

日本ではおサイフケータイを始め、Suicaなども殆どソニーのFeliCaという技術を使っている。このタッチ式の近距離通信の市場は色々な技術があるが、ソニーが世界で初めてチケット用に開拓したものだと思う。しかし世界標準化ではNFCという方式が主流になり、携帯電話の議論をするGSMAがNFC方式の携帯電話の標準を確立し、AndroidやiPhoneがその採用を決めた。私は「またここでもガラパゴスか」と気にしていたが今回のドコモの発表はいち早く対応策を講じたものだと言える。

移行シナリオは簡単でフェリカとNFCの両方の機能を搭載し、最終的には統合チップを開発して行くというものである。統合チップをiPhoneなどが搭載するかどうかは価格にかかっていると思う。現在のFeliCaチップはNFCよりはるかに高いそうなので果たしてグローバルベンダが採用するかどうかはソニーの出方にかかることになるだろう。

一方で対応するインフラのほうはコンビニのキャッシャーなどは両方に対応するものがかなり出回っているらしい。問題は駅の切符代わりに使用する場合で、これは応答速度の問題もあって導入されるとしてもかなり時間がかかりそうである。結局、かなりの期間、日本向けの端末は特殊なチップを搭載することになりそうだが、海外で使う場合にも不便は無いので、コストの問題だけと言えるだろう。

NFCの方式は携帯電話本体ではなくSIMカードにお金が入ることになっているので、端末を修理に出したり、買い替えたりするときにも面倒な手続きが必要無い。現金を扱っているのと同じなので、今のお財布ケータイのお金を別の端末に移すのは本当に面倒な手順になるが、これが大幅に簡素化されるのは大きなメリットだろう。

ドコモのこのタイミングでの発表は世界標準対応のセンスがかなり付いてきたと言えると思う。