ウィトラのつぶやき

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アメリカの運輸省がトヨタ車の電子系統にシロの判定

2011-02-09 11:49:48 | 経済

今朝の新聞にはアメリカの運輸省がトヨタ車の電子系統を10カ月にわたって調査した結果、「電子系統には問題ない」という調査結果を報告したことが報じられている。

この問題はトヨタ車の急加速問題に対して調査を続けていたもので、トヨタはフロアマットが引っかかるなどの問題点は認めたものの電子系統、特にソフトバグに関しては一貫して否定してきた。

しかし、「ソフトが怪しい」という噂は絶えず流れており、私自身もこのブログで「ソフトが怪しい」と書いてきた。今回の発表はその疑念を払しょくするもので、トヨタにとっては信頼回復のための大きなステップと言えるだろう。

膨大な規模のソフトが正しく動いていることを立証するのは極めて困難である。実際、この発表も忘れかかった頃に出た、という印象がある。ここまでかかってでも問題を突き詰め、しかもそれをアメリカ政府に発表させたトヨタの力というか執念には改めて敬意を覚える。発表させるには相当な政治力も駆使したものだと思う。

ここまで来るには膨大な費用と時間がかかったことだろう。自分が所属しているエレクトロニクス業界で、はたしてここまで突き詰める日本の会社があるだろうか、と思う。だが、この作業はトヨタにとってもソフトウェアを根本から見直すという意味で大きな経験になったのではないかとも思う。

トヨタの株は今日は大きく上がっている。実際これを機会にトヨタの業績は上昇していくと思う。日本企業の底力を見た気がする。