ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

Mobile World Congress 2011

2011-02-16 09:24:53 | 経済

バルセロナでモバイル業界で最大の展示会が始まった。この会議は毎年この時期にバルセロナで行われ、世界のオペレータ、インフラベンダ、端末ベンダが一堂に会する。私はネットで見ているのだがそれでも熱気が伝わってくるような気がする。この展示会は数年前まではカンヌで行われており、その時は私も何度か参加したのだが、バルセロナに移ってからは行ったことが無い。Facebookで友人のサグラダ・ファミリアの写真などを見ると「行ってみたいな」と思う。

今は、スマートフォンが最大の話題であるが、最大のベンダAppleはこの時期には発表しないのでAndroid一色という感じである。Google自体もかなり大きなブースを構えているらしい。

このタイミングで、会社間の提携なども色々発表されている。NokiaがMicrosoftのOSに注力することを発表したり、EricssonがAkamaiとの提携を発表したり、IntelとSamsung、KTがLTE用のクラウドを発表したりしている。これらの特徴は異なった国の異なった業種の会社同士がある目的のために手を組むということである。こういう動きはどうも日本企業は苦手な感じがする。

日本の携帯端末業界ではプレーヤーが多すぎると言われていたが次第に数が減ってきた。サンヨーが京セラに吸収され、日立、カシオ、NECが一つにまとまり、東芝が富士通と合併したが、すべて携帯電話部門同士、それも国内企業同士の合併あるいは吸収である。三菱は合併せずに撤退し、ここ数年で10社が5社に減ったのだがいずれもリストラの一環という印象を超えない感じがして発展性に乏しい印象である。

パソコンの分野ではNECとレノボが提携したし、半導体ではルネサスエレクトロニクスがNokiaのチップセット部門を買収した。エルピーダは台湾の企業を買収している。他の業界と比べても携帯端末業界はどうも内向きな感じがする。日本の携帯電話の技術はガラパゴス化したと言われるが、ガラパゴスというのは技術よりもむしろ経営者のマインドがガラパゴスになっているのではないかと感じる。