ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

名古屋のトリプル選挙、結果をどう見るか

2011-02-08 08:20:22 | 社会

日曜日に名古屋地域で愛知県知事、名古屋市長、名古屋市議会解散の住民投票、のトリプル選挙があり、河村市長派が大勝した。知事と市長は河村市長派だし、市議会解散も圧倒的多数で賛成された。河村市長は、市民税の10%減税と、議員報酬の半減を公約に掲げて当選した。

マスコミは菅政権への批判だとか言っているが、これは純粋に地方議会の体質を変えることを住民が望んだものだと私は思っている。民主党への批判という見方は殆どあたらないと思っている。また、河村市長の権限が強くなりすぎる、というようなことを言う人もいるがまだ市議選も終わっていないのに何を言っている、という感じがする。

気になるのは、10%減税と議員報酬半減以外は見えてこない点である。実際は河村市長も色々言っているのかもしれないが、こちらには伝わってこない。争点をこの2点に絞って選挙を戦ったし、市議選もこの2点で戦うのではないかと思う。実際の師の運営からみれは減税は大きな話だが、議員報酬は小さな話である。

減税による収入減は200億円で、議員報酬半減による歳出減は6億円だそうだから、どうやって帳尻を合わせるのか、気になるところである。これが国政選挙なら、私は「怪しげな公約だ」と思って河村市長に投票するのをためらうだろうが、部外者からみた名古屋の状況に関しては「もっとやれ」という気持ちで見ている。仮に私の住む神奈川県でこういう人が現れたらやはりその人に投票するような気がする。

理由は、「失敗してもやり直しがきく」、という感じがするからである。名古屋に続いて大阪でも似たような状況ができるだろう。そこでは当選後の進め方は大きく異なるだろう。どちらかが成功すれば良い、という気分である。

今の地方自治は、首長と議会、それに地方官僚で構成されていて、議会と役人が根回しで殆どのことを決めているというのが実態らしい。そこにどんな風穴があけられるのか、議会だけではなくて役人との関係も含めて新しい展開が起こることを期待している。それでうまくいくモデルが見えてきたら、本格的に地方分権を動かすのが良いと思う。