
5月第3週の日経平均は、下落となった。新型コロナのパンデミックは、
欧米で高止まりして、経済再開が一部で始まった。パンデミックの波は
南半球の国々へ移動する傾向が見られた。新型コロナウイルス責任を巡り
米中関係の緊張が高まり、感染第2波に対する警戒感の高まっている。
NY株式市場は弱含みの傾向で、日経平均は5/14に節目20000円
を割り込んだが、緊急事態宣言が39県で解除と、経済の再開という希望
もあり、週末に何とか、節目20000円台を回復して終了した。
結局、日経平均は週間で141円下落(↓0.70%)20037円でした。
さて、5月第4週(5/18~5/22)主なイベントと予定は下記の通り。
5/14に緊急事態宣言の39県の解除があり、5/21に北海道、首都圏
京阪神での一部解除があるか、注目されます。第2波に注意しながら、自粛
要請の一部解除は、経済再開の狼煙となり、閉塞感からの脱却に繋がります。
また、第2次補正予算の編成方針を示した事で、経済活動の正常化への期待
感が東京市場の相場の下支えになり、新型コロナウイルスの感染数の減少が
進み、8都道府県で規制緩和が実施されれば、マーケットムードに日差しが
差し込むかもしれません。
日経平均、5月第4週(5/18~5/22)は19900円 ~20600円
程度を想定しています。
1.5月第4週 主なイベントと予定
5/18
日本 第1四半期DP速報値
日本 3月第三次産業活動指数
日本 ソフトバンクG、パナソニック、SUBARU、テルモ、コマツ、太陽HD、
住友ペ、日本ユ二、栗田工、各決算
米 5月NAHB住宅市場指数
5/19
日本 3月鉱工業生産・確報値
日本 シャープ、日揮、住友電、ソニーFH、古河電、三菱自 各決算
米 4月住宅着工件数
米 パウエルFFRB議長・ムニューシン米財務長官、上院銀行委員会で証言
米 ボストン連銀総裁、オンライン討論会参加
米 ウォルマート 決算
露 第1四半期ロシアGDP
英 4月失業率
独 5月ZEW景況感指数
EU 5月ユーロ圏ZEW景況感指数
EU 財務相理事会
5/20
日本 4月訪日外国人客数
日本 3月機械受注
日本 4月首都圏マンション発売
日本 スカイラーク、光通信、JXTG、東京海上、東急不、太平洋セ、アマダ
アズビル、堀場製、島津、バンナム、SOMPO、MS&AD 各決算
米 FOMC議事録(4/28、29日開催分)
米 MBA住宅ローン申請指数(5/15迄の週)
米 セントルイス連銀総裁、オンライン討論会参加
英 4月消費者物価指数
EU 5月ユーロ圏消費者信頼感指数 速報値
5/21
日本 8都道府県の緊急事態宣言見直し期日
日本 4月貿易統計
日本 日東紡、マキタ、オリックス、コスモエネ、すかいHD 各決算、
米 4月景気先行指数
米 5月フィラデルフィア連銀景況指数
米 新規失業保険申請件数(~5/16迄の週)
米 4月中古住宅販売件数
米 パウエルFRB議長、挨拶
米 エヌビディア、ヒューレット・パッカード 各決算
米 NY連銀総裁、オンラインセミナー参加
英 5月製造業PMI 速報値
ト トルコ中銀政策金利
南ア アフリカ中銀政策金利
5/22
日本 4月消費者物価指数
日本 富士フィルム、デサント、前田建、科研薬、東急、明治HD、カシオ、リロG
博報堂DY、浜ゴム、アトム、コロワイド、三菱Uリース 各決算
米 債券市場短縮取引
中国 第13期全国人民代表大会(全人代)開幕
中国 アリババG 決算
NZ 第1四半期小売売上高
アル アルゼンチン債務再編案に関する期限
英 4月小売売上高
独 5月製造業PMI 速報値
EU 5月ユーロ圏製造業PMI速報値
2.NY市場 為替/債券 各結果(5/15)
NY時間の終盤に入ってドル円は上げを一服させているものの、107円台
での推移を続けている。きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが優勢と
なり、一時107.35円近辺まで上昇した。この日発表の米経済指標は、
小売売上高は過去最大減少となったものの、その後の鉱工業生産やミシガン
大消費者信頼感指数が予想を上回り、ドル円は買い戻しの動きが出ている。
特にミシガン大指数は、米政府が先月に救済策として実施の給付金が消費者の
センチメント低下を防いだと見られ、前回から上昇したことは驚きとなった。
きょうは米中対立激化を示す動きや報道が出ており、市場は懸念を強めている。
ただ、下落して始まった米株式市場も買い戻しの動きを見せており、ドル円の
フォローとなっている。本日ロンドンフィキシングにかけて実需のドル買いが
強まったこともドル円を押し上げた。
ユーロドルは1.0850ドル付近迄一時上昇する場面も見られ、1.0845
ドル付近に来ている21日線に顔合わせする場面が見られた。ただ、ロンドン
フィキシングにかけドル買いの動きが強まったことから、ユーロドルは上値を
止められている。
エコノミスト一部から、ユーロ圏の主要国はさらに国債を増発する必要に迫ら
れるとの指摘が出ている。全体で1.05兆ドル追加発行が必要になるという。
従来は8500億ユーロが見込まれていた。背景には、失業給付や税収の減少、
追加支出といった高水準の自動安定装置が作動するためだとしている。
ドイツは2780億ユーロ、フランス2130億ユーロ、イタリア1910億
ユーロが追加で必要になるという。これにより、ECBはそれをファイナンス
するため、現在の7500億ユーロの資産購入枠を拡大する可能性が高いと、
指摘している。
ポンドドルは1.21ドル台前半まで下げ幅を拡大し5日続落。今日の下げで
4月安値を下回り、21日線から下放れる動きが出てる。チャートは三尊天井
を形成しており、テクニカル的には下値警戒感を強める動きが見られている。
ポンドの上値を重くしている要因の一つにEUとの貿易交渉がある。きょうは
フロスト英交渉官とバルニエEU首席交渉官の会談が行われたが、フロスト氏は
「交渉の主な障害は英国をEU規則に拘束する、いわゆる「平等な競争条件」に
関する一連の奇抜で不均衡な提案がEUから出されていることだ」と語った。
一方、バルニエEU首席交渉官は、「3回目の会談は期待外れで、EUは英国の
利益のために、我々の価値を投げ売りするつもりはない」と語っていた。
ジョンソン政権はEU離脱の期限延長を改めて否定しており、ポンドの重石と
なっているようだ。
ポンドドルはきょうの下げでフィボナッチ38.2%の水準を下回っており、
早期に回復できないようであれば、1.2ドル台前半に来ているフィボナッチ
38.2%の水準を試す可能性も高まる。
https://fx.minkabu.jp/news/144414
米国債利回り
2年債 0.149(+0.002)
10年債 0.643(+0.021)
30年債 1.324(+0.033)
期待インフレ率 1.090(+0.032)
※期待インフレ率は10年債で算出
きょうのNY債券市場で10年債利回りは上昇。この日の4月の米小売売上高は
過去最大の落ち込みとなり、予想も下回ったものの、その後に発表された5月の
ミシガン大消費者信頼感指数が予想に反して改善したことから利回りは上昇に転
じた。
米中対立が激化しているにもかかわらず、米株が底堅く推移したこともフォロー。
10年債利回りは0.64%台まで一時上昇する一方、2年債は横ばい。
2-10年債の利回り格差は+49(前営業日+47)。
https://fx.minkabu.jp/news/144422
3.NY株式市場 結果(5/15)
NY株式15日
ダウ平均 23685.42(+60.08 +0.25%)
S&P500 2863.70(+11.20 +0.39%)
ナスダック 9014.56(+70.84 +0.79%)
CME日経平均 20045 (大証終比:+5 +0.02%)
今日のNY株式市場でダウ平均はプラス圏で終了している。序盤は反落して始ま
った。米中対立への懸念が強まっており、株式市場を圧迫している。米国が中国
のファーウェイに対する事実上の禁輸措置を強化した。米商務省は米国技術を使
って外国で製造した半導体をファーウェイに輸出する場合に許可を求める規則に
変更。申請は原則却下するため輸出は事実上難しい。一方、中国側も動いている
ようで、中国の環球時報によると、クアルコムやシスコシステムズ、アップルと
いった米ハイテク企業を規制もしくは調査すると伝えた。
トランプ大統領がテレビのインタビューで「習主席といまは話をしたくない。
中国と完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか」思案してる
と述べていたが、それに対抗した措置と見られている。
半導体関連株中心にIT・ハイテク株に売りが先行し、ダウ平均は271ドル安
まで下落する場面も見られた。しかし、きのう同様に下値では値頃感からの買い
も入り、その後は終盤にかけて買い戻しが活発化している。
取引開始前に4月の米小売売上高が発表になっていたが、予想以上の減少となり、
過去最大の落ち込みとなったものの、その後に発表された鉱工業生産やミシガン
大消費者信頼感指数は予想を上回る内容となっていた。 特にミシガン大指数は、
米政府が先月救済策として実施した給付金が消費者のセンチメント低下を防いだ
と見られ、前回から上昇したことは驚きとなった。
銀行株や産業株は下げが見られたものの、IT株や消費関連の買いがサポート。
ダウ採用銘柄ではホームデポやディズニー、ユナイテッド・ヘルスが上昇した他、
ウォルマート、コカコーラ、ビザも買われた。一方、レイセオン、インテル、JP
モルガンが下落。
ナスダックもプラス圏に戻した。ハイテク株は半導体中心に売りが強まったものの、
IT株への押し目買いがサポートした。マイクロソフト、フェイスブック、ネット
フリックスが上昇する一方、アップル、AMD、クアルコムが下落。
半導体製造装置のアプライド・マテリアルズが下落。2-4月期(第2四半期)
決算を発表しており、1株利益、売上高とも予想を下回った。
オフィス・デポが上昇。B2BソリューションとITサービス事業支援、そして、
コスト改善のための再編計画を発表した。再編計画には、流通センターと小売店
の閉鎖および統合と、2023年末までに約1万3100人の従業員削減が含ま
れるとしている。
資源探査のラレド・ペトロリアムが下落。5株から20株の間の普通株式を1株に
株式併合することが、株主総会で承認された。
医療機器のアボット・ラボラトリーズが下落。FDAが、同社の新型ウイルス検査
装置「ID NOW」で間違って陰性の結果が多く出ている事を示すデータについて
注意喚起した。ただ、トランプ大統領は懸念してないと述べていた。
ノースフェイスやVANなどアパレルブランドを多数保有するVFが下落。1-3月
期決算(第4四半期)を発表しており、1株利益が予想外の赤字だったほか、売上
高も予想を下回った。4-6月期の販売に関して、半分以下への落ち込みを予想し
ている。
https://fx.minkabu.jp/news/144420
4.NY市場 原油先物6月限/金先物6月限(5/15)
NY原油先物6月限(WTI)
1バレル=29.43(+1.87 +6.79%)
NY原油の期近は続伸。国際エネルギー機関(IEA)の月報で在庫減少見通しが
示されたことや、4月の中国の鉱工業生産指数が上昇し、経済活動再開に対する
期待感が支援要因になった。日中取引では、米リグ稼働数の減少も支援要因とな
って上値を伸ばした。
https://fx.minkabu.jp/news/144419
NY金先物6月限(COMEX)
1オンス=1756.30(+15.40 +0.88%)
金6月限は続伸。時間外取引では、上げ一服となる場面も見られたが、景気低迷
見通しや米中関係の悪化に対する懸念などを受けて押し目は買われた。日中取引
では、米経済指標の悪化などを受けて堅調となった。
https://fx.minkabu.jp/news/144415
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