二週連続の日曜出勤の慰労として、近場の”湯の山温泉”(三重県)に一泊した。
正確には湯の山温泉のちょっと麓側の”新湯の山温泉”で、ここにある「ウェルネス鈴鹿路」という宿は、ビジホにちょい足しくらいの料金で、もちろん温泉で二食付き(鍋も出る)で泊まれ、しかも名古屋から近く、車でも公共交通でも便利なので重宝している(部屋はシングル、トイレは洗浄器付き)。
二週連続近場の往復だけに使っていたわが赤チンクにも気分転換に高速で遠出をさせてやりたかった。
燃費がリアルタイムで表示されるので、アクセルに足を載せるだけの(踏まない)定速状態だとリッター50kmが表示されて気分がいい(これが信号だらけの街中だと10kmに落ちる)。
さて、折角鈴鹿山脈の麓の温泉に行くので、久々に山にも登ろう。
といっても下りができない脚なので、稜線の武平峠直下まで車で行って、そこから軽く往復する。
目指すは鈴鹿の槍ケ岳と言われる鎌ヶ岳(1161m)。
標高700mが限度の私(の脚)だが、車で800mまで上がるので、標高差は350m。
これなら大丈夫だろう。
行程は短いが、遭難者が出ている険しい山なので装備はきちんとする。
さて、峠下の滋賀県側の広場に車を停め、リュックと登山靴に換えて出発。
登り口に行方不明者の顔写真入りの情報をもとめる看板が立っていた。
そう、標高差はないが決して侮ってはいけない。
人間や動物は人を殺す意思をもってはじめて人を殺せる。
ところが自然はそんな意思がなくても簡単に人を殺せる。
人間が自然の領域に足を踏み入れるなら、自然の気まぐれ(単なる物理法則)に対処しなくてはならないのだ。
鎌ヶ岳は風化した花崗岩の山なので、山腹は花崗岩が砂状になったザレ場が続く(写真)。
最後の岩場の直登ルートは滑落の危険があるので、単独行としては慎重に迂回路を選ぶ。
1時間弱で山頂に着いた。
車を停めた所にあった案内図ではコースタイムが90分とあったので、登りの脚力は健在。
日焼け防止用に頭を入れる側面が網状になった山用の帽子(LLビーン)をかぶってきたが、これはまったく蒸れず、休憩時におあえて帽子をぬぐ必要も感じないほどだ(涼しい風が帽子の中を素通りするから)。
やはり山には山用の帽子なんだな(さすがに山では日傘は無理)。
夏の日中であっても天気がいいので、展望は360°。
眼下に四日市の町並みが拡がり、その向こうの伊勢湾、知多半島と続く。
下界で買ったおにぎりを食べ、往路を戻る。
距離が短いおかげだろう、いつもなら痛む左膝はなんともない。
ただ左足の親指の爪が圧迫されすぎて痛んでしまった。
靴のせいだ(その後、その爪全体がはがれてしまった)。
ちょうどいい運動となり、しかもちょうどチェックインの時間に宿に着いた。
山も宿も平日なので空いている。
のんびり湯につかり、つかぬまのリフレッシュ。
明日は午後から延々と続く会議に間に合わせて帰る。