陳凱歌著・刈間文俊訳『私の紅衛兵時代』(講談社現代新書、2006年12月)
映画監督として知られる陳凱歌による文化大革命期の回想録で、1990年に刊行されたものですが、この度新たに著者・翻訳者によるまえがき・あとがきを加えて復刊されました。
著者が中学生であった時に文化大革命がおこり、著者の父が国民党のスパイと疑われたことから、著者自身もかつての同級生である紅衛兵や担任教師から酷い仕打ちを受けるようになります。その時の様子や、著者の父親に対する裏切り、また著者が紅衛兵となった後に公然と暴力を振るえるようになったこと、下放先の雲南省のタイ族の村での体験、級友たちのその後の運命などを淡々と叙述しています。
文化大革命がおこって昨年でちょうど40年でしたが、あとがきによるとこれを記念する公的な行事は行われなかったとのこと。中国では文化大革命は黒歴史という扱いになってしまったのでしょうか。一方で著者は、人々が多数派からはみ出ることを恐れ、少数の異端者に対する弾圧に率先して加わるという心性は文革期から現在に至るまで根強く残っていると感じており、このことに強い危機感を抱いているようです。
翻訳者によるあとがきでは陳凱歌の最新作『PROMISE』のパロディムービーをめぐる騒動についても触れています。個人的には、そもそもこういう本を書ける人がなぜよりによって『PROMISE』のようなZ級の底抜け超大作を作ってしまったのかがわからないんですが(^^;)
映画監督として知られる陳凱歌による文化大革命期の回想録で、1990年に刊行されたものですが、この度新たに著者・翻訳者によるまえがき・あとがきを加えて復刊されました。
著者が中学生であった時に文化大革命がおこり、著者の父が国民党のスパイと疑われたことから、著者自身もかつての同級生である紅衛兵や担任教師から酷い仕打ちを受けるようになります。その時の様子や、著者の父親に対する裏切り、また著者が紅衛兵となった後に公然と暴力を振るえるようになったこと、下放先の雲南省のタイ族の村での体験、級友たちのその後の運命などを淡々と叙述しています。
文化大革命がおこって昨年でちょうど40年でしたが、あとがきによるとこれを記念する公的な行事は行われなかったとのこと。中国では文化大革命は黒歴史という扱いになってしまったのでしょうか。一方で著者は、人々が多数派からはみ出ることを恐れ、少数の異端者に対する弾圧に率先して加わるという心性は文革期から現在に至るまで根強く残っていると感じており、このことに強い危機感を抱いているようです。
翻訳者によるあとがきでは陳凱歌の最新作『PROMISE』のパロディムービーをめぐる騒動についても触れています。個人的には、そもそもこういう本を書ける人がなぜよりによって『PROMISE』のようなZ級の底抜け超大作を作ってしまったのかがわからないんですが(^^;)
陳凱歌のこの本、また出たんですね、
なかなか見つかれへんかったんですよ。
是非購入してみます。
『PROMISE』は全然知りませんでしたが、これにも興味が湧いてきました(笑
>公然と暴力を
「文革で殴られた話をする人は多いが、殴った話をする人は少ない」って誰か言ってたようですが、暴力を振るってしまった自覚の告白話もしてるのでしょうか。
>一方で著者は、人々が多数派からはみ出ることを恐れ、少数の異端者に対する弾圧に率先して加わるという心性は
こうした心性はたぶん普遍的で、文革時代の人民も、我が国で「いじめる」小学生も変わらんように思うです。おそろしいのはそんな心性を利用する集団なわけですが・・・
でもとにかく一読しなきゃいかんなあ。
それはそうと川魚さん、台湾では話題にならなかったんすか?『無極』。
私も前々からこの本を探していたクチでして、新聞広告で復刊を知るや、早速書店に買いに走りました(^^;)
>飯香幻さま
>「文革で殴られた話をする人は多いが、殴った話をする人は少ない」
まあ、だいたいが「自分は文革の被害者」という前提で書きますからね。この本も実のところ、著者が暴力を振るった話は1つしか触れてません。
無極ですか、映画はあんまり注意してみてないですねえ、
站や映画館の周りで、いろいろよう広告はしてるんですが、
無極は記憶にないです、すみませぬ。
いまは、『なんとか甲』の広告が盛んですね。
さとうしんさま>
ぷろみす、わざわざ済みませんでした、了解ですw
真田広之も、てっきり国際派スターですねえ。
陳凱歌は、『覇王別記』はおもしろく見たし、プロミスも見てみようかな?
>いまは、『なんとか甲』の広告が盛んですね。
張芸謀の『満城尽帯黄金甲』ですね。台湾ではもう公開されているんですか。羨ましい……
『プロミス』は『覇王別姫』なんかのイメージで見てしまうと面食らうと思います(^^;)
>無極
お笑い大作です.
いじられる為なのか、ネタにされる為なのか、とにかく狙って作ってるようにしか思えませんでした.
あの後「カンフーハッスル」見たら、ストーリーは正統派の武侠だなぁと、しみじみしてしまいました。
ああ、大家夫婦って最高!
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします。
確かに、最初からコメディという前提で作ってるはずの『カンフーハッスル』の方がまともな作品に見えますよね(^^;)
チェン・カイコーの前作、『北京ヴァイオリン』はまっとうな感動作だったのですが、『北京ヴァイオリン』と『PROMISE』の間に何が起こったのでしょうか……