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博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『将夜』その10(完)

2019年01月14日 | 武侠ドラマ
『将夜』第55~最終60話まで見ました。

知守観で下働きからやり直すことにした隆慶ですが、薬錬所の清掃係を任されたところ、これ一粒を飲めば一気に「破境」できるという西陵国の秘薬「通天丸」をうっかり発見したり、
付近の洞穴に住まう下半身が腰斬された自称聖人の半截道長と出会い、「通天丸を飲んじゃいなよ?」「なに、盗みはできない?なら自分で錬成すればいい。やり方は『天書』沙字巻の最後に載ってるぞ?」「錬成できない?なら自分の心血を捧げればいい」と次々に悪魔の囁きを繰り出します。


そして陳某の愛弟子で次代の知守観観主と目されつつも15年間引きこもり生活を続けていた葉青が世に出ます。彼は「荒人」の唐、天擎宗の七念とともに「天下行走」に数えられ、かつてこの2人と「永夜」到来の徴候を目撃した人物とのこと。妹の葉紅魚が出奔したと聞き、その跡を追います。

その葉紅魚はといえば、夏侯との決戦に備える寧欠のもとにドゴーン!!と門扉を破壊して押しかけます。かつて蓮生大師との戦いで助けてもらい、今また西陵の追っ手から匿ってもらう例として、寧欠に柳白の「大河剣」を、桑桑に昊天道の功法を教えます。

彼らのもとに葉青が追ってきて、師匠陳某の子の陳皮皮とも接触。陳某の後継者となるはずだった皮皮ですが、葉紅魚から「あんたと兄上のどちらが優れているの?」「あんたも兄上が観主になった方がいいと思うよね?」というのをちくちくやった結果、色々イヤになった皮皮が出奔したという経緯があった模様。しかし目的は妹と寧欠、陳皮皮の捜索だったはずが、葉青は気がつけば何で都城の老百姓相手に布教してるのでしょうか (^_^;)

その頃、唐王は独自に宣威将軍林光遠殺害の案件について再検討を始め、「冥王の子」が林府に存在すると信じた衛光明の指示により、親王と夏侯が林光遠の罪をでっち上げたと結論づけ、2人を庶民の身分に落とします。林光遠と配下の諸将の名誉回復がなされたことで、「これでよかろう?」と唐王が寧欠に問いかけますが、寧欠は「まだだ。オレの両親の名前はそこに入ってない」と訴えかけます。林光遠の遺児かと思われた寧欠ですが、実は林光遠の門番寧賢と、名もなき李三娘との間に生まれた子なのでした。「生き延びて仇討ちをするのはどうしていつも王子だけなのか?」と訴える寧欠ですが、発想がやっぱり厨二臭い…… で、唐王によって雁鳴湖で寧欠と夏侯との決闘が認められ、15年ごしの禍根に決着がつけられることになります。


そして半截道長の功力を吸い取り、通天丸を奪取し、かつてより強大な力を手に入れたものの完全に闇オチしてしまったこの人の運命は……?

【総括】
ということで「第一季完」です。実は寧欠と夏侯のラストバトルのアクションについては「ファイナルファンタジーⅦ アドベント・チルドレン」のアニメーション抄襲(パクリ)ではないかという指摘が出ておりまして、最後の最後でミソがついてしまったのが残念ですが…… というかそもそも本作の世界観が『ゲーム・オブ・スローンズ』をなぞっているだけではないかというのが指摘されてますね……

実は本作の展開の遅さは『天盛長歌』、あるいは以前に展開が遅いと評価された『青雲志』なんかとそれほど変わりはないのですが、やれやれ系主人公の寧欠をはじめとして随所に差し挟まれた厨二病的演出の力でまあまあ見てられるという感じですね。既に制作が決定しているセカンド・シーズンでも制作スタッフの厨二マインドを存分にぶち込んで頂きたいところです (^_^;)
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