博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『琅琊榜之風起長林』その8 公文書とトカゲの尻尾切りと

2018年03月19日 | 読書メーター
『琅琊榜之風起長林』第41~46話まで見ました。

元啓が墨淄侯と結託していることを知ってしまった佩児は、主従で沈香湖に外遊した際にこのことを思い切って荀安如に告白しますが、そこへ事態を察した元啓が出現。 元啓「(剣の柄に手をやり)ここで始末させて貰おう」 安如「やめて!せめて血を見ないで済むように湖に沈めてあげて!」 何となく大阪の南港に沈める的なサムシングを連想してしまいますが、元啓のおかんの死に際といい、元啓関係者が死ぬ時はノリがヤクザ物っぽくなるんですよね……

しかし東海国の生まれで水泳が得意な佩児は密かに生き延びて、近辺に来ていた岳銀川主従に保護されます。彼女が水泳が達者なことは荀家の者なら承知していることのようなので、おそらく安如もそれを知ってて湖に沈めるよう望んだということですよね。

その岳銀川は軍功に対する褒美として新帝への謁見が叶い、「東境10州の陥落は何者かが機密を流出させたのが原因ではないか」「元啓が取り戻した7州は残りの3州と違い、敵軍に戦意がないようだった」と、荀白水や元啓の前で空気を読まず思ったことをありのままに口にしてしまいます。

岳銀川は更に東境各州の軍報の写しを取り寄せて東海国との戦いの状況を知ろうとしますが、佩児から元啓と墨淄侯との結託の一件を知らされ、思い切って荀白水に元啓を告発することに。一方、琅琊閣に引きこもっている平旌らも東境10州の陥落と元啓の軍功を不審に思っており、墨淄侯の淮東3州占拠の狙いは「水深船塢」(具体的にどういうものを指すのかよくわからないのですが、軍艦ドックのようなもの?)の建造にあると見抜き、書信でそのことを荀白水に注進していたのでした。

そういうことで荀白水は岳銀川の意見をすんなり受け入れ、まずは墨淄侯に対抗するために、前朝の衛将軍が築いた「水深船塢」の設計図を文書庫から取り寄せようとしたところ、墨淄侯の依頼を受けた元啓が既に持ち去っていたことが判明。疑惑が完全にクロになったところで荀白水は自ら新帝に元啓を告発しようとしますが、やはり事態を察した元啓が手を回し、墨淄侯の間諜戚夫人が登城中の荀白水の輿を襲撃して暗殺し、彼の手から告発の文書を奪い去ったのでした…… 


佩児、そして叔父荀白水の死によって完全に表情が消えてしまった元啓の妻・荀安如。「あなたが叔父を殺させたんでしょう!」と詰め寄る彼女に対し、直接の下手人である戚夫人を衛将軍の設計図とともに櫃に閉じ込め、墨淄侯に引き渡すべく自ら東海国へと送り出すと見せかけて、途中で文書ごと焼き殺すさまを見せつけ、「どうだ、叔父の敵をとってやったぞ?」と声をかける元啓。いま日本で話題のトカゲの尻尾切りですね(白目)

そして元啓は毎年恒例九安山での三月春猟をクーデターの好機と定め、準備を進めます。九安山、三月春猟、皇族によるクーデター…… うっ頭が…… しかし兄が死んだのにそんな気分になれないという荀太后の意見が通って春猟が中止になると、今更次のチャンスなど待てないとクーデターに踏み切る元啓。このあたりのグダグダさ具合は何となく前作の誉王を彷彿とさせますね。

荀白水の死によって寄る辺を失った岳銀川、そして荀飛盞の要請を受けて再び金陵に戻る決意をした平旌の運命は……?

ということで前回あたりから皇后の密詔・軍報・「水深船塢」の設計図・奪われた荀白水の告発と、各種の文書類が物語の中で重要な役割を果たしていますね。このドラマはもうすぐ日本語版の放映が開始されるのですが、いま行政文書の扱いや管理が問題になっているだけに、こういう文書類が話にどう絡むかにも注目して見て欲しいところです。実は今回平旌と林奚との関係にも大きな進展があったのですが、こういう展開を見てしまうとそんなのどうでもよくなってきますw
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする