博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『十月囲城』その10(完)

2014年10月19日 | 中国近現代ドラマ
『十月囲城』第55~最終60話まで見ました。

秦少白から官府側のスパイではないかと疑われかけた重甲は、鉄山と示し合わせて鉄山爆殺未遂事件をおこしたりして革命党員の信頼を回復しますが、それに反比例して阿四の信頼は下がる一方。重甲は革命党員の意見を誘導して広州で起義をおこさせ、鉄山らに計画の情報を流して革命党を一網打尽にしようとしますが、土壇場ですべてが重甲の掌の上と気付いた秦少白は重甲に無断で計画を変更、鉄山から弾薬の支給を命じられていた阿四には製造局の爆破と重甲殺害を命じます。

しかし阿四は重甲を追い詰めるつもりがあべこべに刺殺されて簀巻きにされ、広州城の堀へと投げ捨てられます。そして重甲の策謀により革命党側と、革命党に味方するはずの新軍とが同志討ちさせられ、秦少白も乱戦の中で死亡。こうして1911年3月29日の「黄花崗の起義」は幕を閉じたのでありました…… 


結局「黄花崗の起義」でおいしい所を全部持っていってしまった重甲さん……

しかしその後、武昌蜂起によって辛亥革命が勃発。広州では清朝からの独立を宣言し、広東軍政府が成立。革命党と官府との間をうまく立ち回っていた重甲は軍政府の高官に成り上がっておりました。一方、鉄山は部下とともに香港へと逃れて孫文暗殺のため潜伏生活を送っております。そして我らが阿四は刺殺されたと見せかけ、密かに阿純に助け出されて一命を取り留め、香港で人力車引きの仕事に戻っておりました。

が、重甲は阿純と平和に暮らしていた阿四を見逃さず、抹殺をはかります。重甲側の襲撃から逃れた阿四は、重甲が密かに袁世凱に内通しており、鉄山を使って香港に遊説する予定の孫文の暗殺を謀っていると察知。何とか孫文の関係者に暗殺計画を知らせようとしますが……

【総括】
ということで、気がついてみれば貧乏で教養の無い典型的な「老百姓」であった阿四が、金玉満堂の李家の令息重光の替え玉に仕立て上げられて四苦八苦しつつ成長していくという話だったはずが、いつの間にか正道を歩もうとする阿四と、性格が屈折しまくりで覇道を歩もうとする重甲との兄弟相克の物語となっておりました。アクションに定評のある鞠覚亮が監督に加わっていますが、個々のアクションは見応えのあるものに仕上がっているものの、アクションシーンの数自体は少なく、脚本で見せる展開になっています。同監督の『侠骨丹心』とか『逆水寒』のストーリーのグダグダぶりを思い出すと、隔世の感があります(^^;)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする