博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『書剣恩仇録』その6(完)

2009年06月11日 | 武侠ドラマ
昨日は修士・博士論文口頭試問の打ち上げ会でした。昨日は専攻所属の院生・教員が全員参加の飲み会でしたが、今日は学位取得者と教員だけで食事をするようです。ちなみにおとといの試問の後も学位取得者と審査員とで飲んだということで、同じ口実で3回も飲み会をするあたり、さすがノミニケーションのお国柄だなあと(^^;)

で、『書剣恩仇録』第35~最終40話まで見ました。

西域の古城でゲットした秘拳で張召重を倒した陳家洛。更に少林寺の四大関門に挑んで見事に乾隆帝が漢人である証の文書を入手しますが、一方で于万亭は皇族としての身分回復と引き替えに紅花会殲滅を開始。自分の姿を目撃した章進を手始めに楊成協や蒋四根を抹殺していきますが、陳家洛らは既に黒幕が于万亭こと允であること、そして彼が生きていることに既に気付いていた!そして紅花会の面々と于万亭との決戦が始まる……

ということで、これまで広げるだけ広げてきた風呂敷をバタバタと畳んでいく展開が続きます。徐天宏の仇討ちの話がうっちゃられたり(徐天宏は幼い頃に家族を破滅に追いやった仇と出会いますが、その仇はうまく逃げ延びてそのままこのエピソードは無かったことに……)、陳家洛が于万亭と戦っている間に西域七族が全滅してカスリーが乾隆帝に捉えられていたりと、いくら何でも展開を急ぎすぎだろうと(^^;)

そしてカスリーは一旦陳家洛に助けられるものの、大局を鑑みて自ら乾隆帝のもとに戻る決断をし、そして自決。このあたり原作より陳家洛にとって都合の良い展開になってますなあ…… 

で、朝廷では乾隆帝が権限を掌握していくことに危機感を抱いた皇太后が「八旗の指揮権を各皇族に委ねる」という旨の雍正帝の遺詔を持ち出し、これを雍和宮に保管させると、乾隆帝はこの雍和宮に陳家洛らをおびき寄せ、雍正帝の遺詔ごと火の海にしてしまおうと画策・実行。そしてこの炎上から逃れた紅花会の面々は乾隆帝と対峙することに……と、最後までステキな展開が続きます。

というわけで全編見終えた感想は「微妙」の一言ですね(^^;) 余魚同がウジウジ悩むシーンでやたら時間をかけたかと思うと、終盤の展開を思い切り端折ったりするバランスの悪さが何とも…… まあ、それでも『雪山飛狐』なんかと比べるとずっとクオリティは高いんですけど、張紀中の一連の作品と比べるとどうだろうとというレベルです。張P作品は批判も多いけど、あれはあれで一定のクオリティは保っているんだなと再認識した次第。この作品、思い返してみれば序盤で血滴子が飛んでいたあたりが一番面白かったですねえ……
コメント
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