博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『台北故宮』その1

2009年03月29日 | TVドキュメンタリー
ボチボチと1月にCCTVで放映されていたドキュメンタリー『台北故宮』を見ています。今回は全12集中第1~6集までの内容をまとめておきます。

第1集「文物遷台」
日中戦争以後の大陸内での故宮所蔵文物の移転と、国共内戦発生後の国民党による台湾への文物移転について。飛行機による文物輸送は故宮関係者の亡命輸送機も兼ねていたようですが、張大千画伯による膨大な数の敦煌壁画の模写が搭載しきれず、泣く泣く関係者所有の金塊を積み荷から降ろして飛び立ったといったエピソードが紹介されています。

第2集「北溝煙雨」
台北故宮が出来るまで十数年間文物を保管・展示していた台中郊外北溝の展示所について。ここは当初文物を保管するスペースしか無かったところをアメリカの援助によって展示スペースが出来たのですが、当時の反米感情により支援拒否運動も起こったとのこと。この展示所は1999年の九二一大地震によって完全に崩壊してしまい、現在は跡形も無くなっているそうです。また当時故宮の文物を宋美齡がアメリカに売り渡したという噂が立ったものの、これは文物の数量統計の誤りに端を発した誤解とのこと。

第3集「青銅記憶」
安陽発掘に関わった李済の事績と台北故宮収蔵の殷周青銅器にまつわるエピソードを中心にまとめています。毛公鼎を日本軍が狙い、当時の持ち主を拷問したとか、李済が戦時中に日本に渡り、略奪文物返還交渉に携わったという話が印象に残ってます。また、1980年代の台北故宮裏山の倉庫内部の映像もあり。

第4集「釉彩千年」
宋代の五大名窯の名品について。「磁器収蔵家」王剛のインタビューが挿入されてます。こちらで『なんでも鑑定団』の中国版の司会をやっていると思ったら、コレクターだったのかよ!また昨年11月に北京故宮に行った際に延禧宮だ開催された陶磁展も紹介されています。これって台北故宮も関わっていたんですね。

第5集「磁中繁花」
明の宣徳官窯と清の琺瑯磁器、台北・北京両故宮の磁器担当研究員の交流などについて紹介。「青磁花」を歌うジェイ・チョウ(周傑倫)のインタビューもあり。

第6集「玉潤光華」
玉器とその研究に関わった台北故宮のスタッフについて。台北故宮のシンボル的存在の翠玉白菜ですが、2007年にその一部が破損していることが判明。ただ、いつの時点で出来たものかは不明とのこと。また、大陸の湖南省博物館などとの共同展示について取り上げています。

ちなみに本作のOP・EDテーマは、武侠物のテーマ曲でお馴染みの小虫作曲です。各回とも当時の台湾の映像やらニュースなどが流れるのですが、こんなのを見てると無性に台湾に旅行したくなって困ります(^^;) 
コメント (2)
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