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敗戦国の悲しさ、惨めさ、悲惨さ・・・ベルリン陥落

2015-12-10 10:57:27 | 二次大戦ドイツ
敗戦国が如何に惨めか・・・「1945年・ベルリン解放の真実」ヘルケザンダー,バーバラヨール(Helke Sander、Barbara Johr)によって書かれた敗戦国と勝利者の現実・・・
過去、世界の軍等々多くの国も戦場では多くの強姦等を行っていますが、ベルリンの場合、小さな少女から老婆までベルリン市内の殆どの女性が被害を受けております。勝利者として当然だと言う側面が見え隠れしますが、やはり誇り高い当時のドイツ人歴史上最大の屈辱、悲劇だったでしょう。

著者は、ベルリン陥落時、勝利者ロシア軍の兵士達に200万人(少なく見積っての数字)の女性達が強姦され、精神障害を負うことになった彼女らの証言を集め、ジェンダー(社会的、文化的に形成された男女の違い)の視点から、彼女らの個人的記憶を世界中の人達の集団的記憶として共有することを試みるために書かれています。

近代において、多くの女性の悲劇が生じていますが、ベルリンの悲劇は群を抜いています。これらの過去の事実を発表するには、戦後から戦勝国等の大きな圧力を受け、敗戦国であるドイツは常に悪役、敗者と言う濡れ衣を着せられているように思えます。

ベルリンを解放した解放軍と言われるロシアが、その大層な大義の裏側でどれほどの暴虐を働いたかという悪夢の記憶でもあります。
ベルリン侵攻、ロシア軍によって強姦されたドイツ人女性の数は、最小に見積もっても200万人にも達すると言われています。正確な人数など測りようもないと言われています。病院等に残された記録、被害者証言などから、ある程度は推測できますが・・・そのうち何万人かが自ら自殺しています。

この20世紀最大の大量強姦事件は、どのように実行に移されたのだろうか・・・当時のロシア上級司令部等をはじめ末端部隊まで、日を指定し「ベルリンのパーティ」と称し、暗黙でドイツ女性を強姦してもいい日を設けていたと言われています!
ロシア兵士は一人が見張り、残りの兵士達が順番に襲いかかっていく光景が、ベルリンのいたるところで展開されたと言われています。男性はどうすことも出来ず何も出来なかったと言われています、敗者であるドイツ人が抵抗したら問答無用、即射殺

小さな少女から老婆まで犠牲・・・ほとんど子供としか呼べないような歳の娘たちまで残さず犯され、中には会陰が肛門まで裂けていた10歳から16歳までの少女たちは、病院で縫合しなければならなかったと記録されています・・・ロシア兵は女たちを殴りつけ、機関銃を突きつけ、順番を守って犯していった・・・当然、避妊など考えるものはいなかったでしょう。この結果、戦後のドイツでは大量の混血児が生まれることになったようです、男性から見放され、シングルマザーが相当増えたと言われています。ドイツは比較的医療が進んでいたので強姦により妊娠した子供を相当数処置されたと言われています。日本でも敗戦後、福岡県二日市(現筑紫野市)にあった厚生省引揚援護庁の医療施設、二日市保養所等々で強姦被害に遭った多くのの日本人女性(引揚者) に堕胎手術や性病の治療を行っています。

ドイツの男たちは命懸けで自分の妻や恋人を守ろうとしたのだろうか・・・ごく少数例を除いて、男たちはただひたすら怯え、隠れるだけだった・・・自分の妻が犯されると、彼女たちの裏切りを非難した人も多くいたと言われ、本当に悲劇です。
この悲劇は、ただでさえ傷ついた女たちの心をさらに深く傷つけ、そしてまた多くの誇り高いドイツ女性達が命を断ってしまいました。特に誇り高いゲルマン、ドイツ人、ロシア兵に汚されたという事実は、想像を絶するくらい耐えがたかったと言われています。

もう一つのベルリンの悲惨さを書いた実話にもとずいた、DVDがあります。
ベルリン陥落1945、2008年のドイツ・ポーランド合作映画でベルリンの戦い前後のベルリンを舞台としています。
原題は、Anonyma – Eine Frau in Berlin(匿名 - あるベルリンの女性)です。匿名ドイツ人女性を中心に、1945年4月末のベルリン侵攻してきたソビエト軍兵士らの強姦、敗残兵狩り、ドイツ人とソ連軍兵士描いた作品です。1911年~2001年死去のドイツ人女性の実手記が1954年にアメリカ合衆国で出版、1945年4月20日より6月22日までの日付となっています。
1959年、署名入りで西ドイツで出版されましたが、手記をまとめた女性に対して非難がなされ、彼女の死後、署名を明かさないという条件で再出版となったと言われています。
日本では日本語訳され、白水社から2008年、ベルリン終戦日記―ある女性の記録が、出版されています。

2008年、マックス・フェーベルベック(Max Färberböck)監督により、このドイツ人女性の手記が映画化。日本では、日本語の字幕がつけられたDVDがリリース、当時のベルリンの真実を知ることが出来ます、敗戦国の惨めさ、悲しさ・・・

DVDの概要
女主人(美人です、当時の女性に合わせたと言われています。)は、ジャーナリストでロシア語を話すことができ、夫のゲルトがドイツ軍兵士として出征するのを祝った後、1945年4月末、ロシア軍がベルリンに侵攻、ドイツ軍兵士が抵抗している箇所の制圧に当たります・・・ロシア軍兵士が、主人公女性のいるアパートに入ってきた。彼らの中には、女性に強姦を働くものもいる。止めさせるともできない住人たち。主人公女性も強姦されたが、取り仕切るロシア軍将校たちに取り入り、自分たちの安全を確保しようとします。

強姦は、たった数分のことだ、たいしたことはないのにとアンドレイ少佐は言うが・・・初老のドイツ人男性を激しく殴打しているロシア軍兵士に対して、アンドレイ少佐は格闘して止めさせるのと同時に、武器を隠し持つ者、それをかくまう者を銃殺するということを宣言します。
1945年5月2日、ドイツのヴァイトリング司令官が、ベルリンでの降伏を宣言しドイツ人兵士の投降を指示します。ロシア軍兵士は歓喜します。

強姦しようとしたロシア軍兵士に対して発砲したドイツ軍敗残兵の兵士が見つかると責任は敗残兵とその妻、他のものにはお咎めなしとアンドレイ少佐は決定します。ドイツ人との関係をましなものとするため、アパート住人とソ連軍兵士とのパーティーが開かれるようになりました。アンドレイ少佐は、ベルリンから転任となります。
放心状態の夫ゲルトが、女主人公のところに戻ってきます・・・

近代世界には戦争等による数多くの女性の悲劇がありましたが、誇り高い当時のドイツ人、ベルリン陥落は近代世界最大の悲劇を生みました。これらの事実の公表は戦後はご法度であったようです・・・何時の日か再び復讐が繰り返されるのではないかとさえ思える内容です。

敗戦国ドイツ・・・現在でも当時の戦勝国の負の面等を公表することに対しては大きな圧力を受けると言われています。
このDVDは敗戦国の厳しさ、悲しさ、理不尽さを国境を越えて訴えてるように思えます。我々は歴史に目を背けること無く、歴史を学ぶ事が重要と思います。



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