極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

I am grateful that I can freely write my daily thoughts

中心が全てではない・・・小野正嗣

2015-12-10 14:36:21 | 日記
九年前の祈り、第152回芥川賞を受賞した気鋭の作家、小野正嗣さん(45)がモスクワにて語っています。
11月末モスクワで開かれた、第17回国際知的図書展non/fictionへの招待を受け、初めて訪れたロシアで、文学、ジャーナリズム、文化論に至るまで作家の視点からロシアを語っています。
興味あるのは作家としての世界を見る視点・・・以下のインタビューの部分は国内ではカットして報道されることが多いようです。

ロシアNOW等の一部インタビュー文です。以下の文で可笑しな文があったら全て私の加筆等によるものです。

図書展、国立人文大学で講演での聴衆の反応はロシアは文学に関心を持っている方が大変多かったそうです。質問も素晴らしく、会場とのやりとりが刺激的でとても楽しかったと述べています。
一方、日本は政治、経済はもちろん、文化的にも米国一辺倒になっているところがある。シリアはそれにいい意味で抵抗していますね。ロシアは良きにつけ悪しきにつけ、自分たちの立場、意見というものをちゃんと持っているという感じがしましたと述べています

日本の国際報道は、米国という窓を通してしか世界を見ていないようなところありますよね。世界に対する評価も米国の見方の影響を受けている。違う声とか違う見方が伝わりにくい。
ロシアは、米国のやり方だっておかしいんじゃないのかということを言ってるわけですよね。そういうロシアを見ることは、日本が世界に向ける自らのまなざしのあり方を考え直す契機になると思います。

勿論、ロシアがやってることが全て正しいなんて思っていないですよ。だけど日本にいると、ロシアのやってることについてはいちいち疑問を抱くのに、米国が世界でやってることに対してはそれほど疑念を抱かないでしょ。シリア問題でも、どうしてもロシアだけが例外みたいに見えてしまう。でもここへ来たら違うじゃないですか。僕らも日本という場所から、自分たちの目で世界を見て考えるということをしなくちゃならないんじゃないかなと。それはここへ来たからこそ得られた発見ですね。

フランスだってかつてほど独自路線じゃないですよね。やはり日本と同じように、米国が主導する世界秩序の一部というところがあります・・・等々

小野正嗣(おの・まさつぐ)
1970年、大分県蒲江町(現佐伯市)生まれ、45才
故郷の「浦」を舞台とする作品を描き、「にぎやかな湾に背負われた船」で2002年に三島由紀夫賞を受賞、15年1月には「九年前の祈り」で芥川龍之介賞を受賞、著書・受賞多数、一部著作はベトナム語、朝鮮語、英語に翻訳出版、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、パリ第8大学留学でフランス語圏カリブ海地域文学を研究、博士号(文学)取得
現在、立教大学文学部准教授


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 敗戦国の悲しさ、惨めさ、悲... | トップ | 可笑しなクリスマス »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事