メナヘム・プレスラーの昨年秋のリサイタルがBSで放送されていた。
彼は、三重奏のピアノの活動が主だったようだが、初めて聴く機会を得た。
93歳という高齢で、長時間の演奏は大変だろうと思うが、年の功であろうか、キー・タッチが細やかで、良くこんな音が出るものだと感心させられた。
ドビッシーが得意のようだが、アンコールの「月の光」は、絶品であった。
何年か前に、イヴリー・ギトリスのヴァイオリンを聴いたことがある。
彼の年齢を考えて、生で聴けるのは最後になるのではと、チケットを入手して駆けつけた。
このとき、彼は90歳位だったと思うが、実に味のある音色を聴かせてくれた。
指揮者では、90歳で活躍するプロムシュタットが、年齢を感じさせない見事な指揮振りを見せてくれる。
若い演奏家の力強い演奏も魅力的だが、経験に裏付けられた彼らの演奏はまた格別だ。