折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

ヴィーナスの誕生、バラの名は?

2006年01月17日 22時11分56秒 | 小寒
イタリア・ルネサンスには興味が尽きないのですが、名画に描かれたバラについて。
バラ栽培に対する気持の一端なので。

ルネサンスの光と闇を駆け抜けた画家と言えば、
サンドロ・ボッティチェリ(Sandro Botticelli 1444?-1510)の名が浮かびます。

辻邦生さんの長編小説「春の戴冠」(1977)には、
メディチ家(Medici)の花形画家としての栄枯盛衰が、
瑞々しく叙情的に描かれています。

ボッティチェリのあまりに有名な大作、「春」(La Primavera 1482)、
そして「ヴィーナスの誕生」(La Nascita di Venere 1485?)には、
以前から強く惹かれていました。

いつか、フィレンツェ(Firenze)・ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)を訪れたいと。

そんな中で、「春」に描かれているたくさんの草花。
いったいどんな花なのか、その名前にも好奇心がわきます。
一説に500種類とも言われています。
バラ・スミレ・タンポポくらいでしょうか、絵を見て私にわかるのは。

そして、「ヴィーナスの誕生」です。
花の女神フローラを抱いた西風の神ゼフュロスが吹き付ける、
ヴィーナスの愛の象徴としてのバラ。
実は、このバラの由来が前々から気になっていたのです。

これは、オールドローズ「アルバ・セミプレナ」(Alba Semi-plena)
という解説があります(週刊花百科バラ1 講談社 2004/2)。
「・・・・ヴィーナスを、祝福するかのように舞う白いバラ・・・・」

でも、セミプレナは写真では純白、名画の方はどう見てもピンク(画像に一輪!)。

これ、ホントにアルバローズなんですか?
それが、率直な感想というか「?」です。
白もピンクもあるんでしょうか。

とは言え、500年以上も前、トスカーナの青い空の下、
まさに花の街フィレンツェを彩ったに違いない、
ボッティチェリの選んだあのバラに、思いは飛んで行きます。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2019-10-10 09:39:13
こんにちは。
はじめまして。
ボッティチェリの「ヴィー誕」のバラについて調べていてこちらのブログを拝見しました。

「アルバ・セミプレナ」は「アルバ・マキシマ」の枝変わりだそうです。「アルバ・マキシマ」は、白地の花にほんのりピンクなどが入ることがあるそうですが、写真を見ると優しいピンク色の花が咲くこともあるみたいです。
なので「アルバ・マキシマ」が正解に近いのかもしれませんね。
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ありがとうございます。 (折節)
2019-10-10 18:07:19
13年前の記事に対してコメントいただきましたこと、恐縮でございます。
アルバ・セミプレナとアルバ・マキシマの関係は存じております。
アルバ・マキシマ花の中心部分には、ほんのりピンクが確認できるそうですね。
ただ、ボッチチェリの絵のような純なピンク色の花となりますと、個人的にはマキシマの方でもどうかなと思ってました。

よくはわかりませんが、絵と写真は全く別物ということだということです。
ピンクのバラの花を散りばめることによって、画家の意図がこの絵を通じてどのように我々の心に迫って来るか、
そこに思いをいたすことの方がはるかに重要のように感じられます。

私の中では今では描かれているバラの品種が何かはあまり重要ではありません。
うちの庭にはアルバ・セミプレナを2株植えています。
バラを見に来て下さった方には、「ヴィーナスの誕生」に描かれているバラという「説」があるとだけお伝えしています。
真っ白な花びらに黄色いピンクの素朴な半八重のバラ、毎年5月の庭の楽しみの一つです。

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