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なぜ最近、日本は挑発され続けるのか

2010年11月03日 13時38分06秒 | twitter

 ロシアのメドべージェフ大統領が「開発状況の視察」と称して日本の国後島を訪問した。北方領土がロシアに不法占拠されていることは従前から変わりはないので、今さら大統領が訪問したからといって何が変わるというものではないが、不法占拠の状態を既成事実化したいというロシアの意図はよく分かる。こんな東の果ての開発状態など、わざわざ大統領がモスクワから飛行機を飛ばして見に来る必要があるとも思えない。
 これは、以前から強いとはいえない日本の外交力が、現在になってさらに弱まっているのを見越しての行為だろう。完全に見くびられているが、実際に弱体だから仕方ない。相手が弱体したと見るや、すかさず侵略する、というのがロシアの常套手段である。第2次世界大戦の末期にとったソ連の行動を見れば分かる。アメリカにやられてボロボロ状態になった日本を見て、それ以前に結んでいた中立条約を完全に無視し、一方的に対日参戦したのが、当時のソ連だ。今のロシアも性根は変わっていない。「卑劣漢」という言葉をそのまま国にしたのが、ロシアである。
 それにしても、尖閣諸島をめぐる中国の暴挙といい、ロシアによる国後島の不法占拠既成事実化といい、どうしてこうも最近になって日本は挑発を受け続けるのであろうか。私が考えるに、昨年の秋から民主党が政権をとり、訳の分からない外交をくり返したことに原因がある。野党時代から民主党というのは何がしたいのか分からない政党であったが、それが政権党になってしまうと、日本自体が何をしたいのか分からない国になってしまったのだ。自民党時代は「対米従属」などと批判されていたが、まあそれなりに「アメリカの子分」として筋の通った外交にはなっていた。しかし民主党政権は、普天間基地移設問題に見られるように、何をしたいのかさっぱり分からない。普天間問題でいつまでもゴタゴタしたことにより、「日本は米軍を追い出したいのか」「日本の防衛にアメリカの関与はなくなっていくのか」「日本は地域の事情を何より優先し、国防意識は二の次なのか」というようなメッセージを、世界に対して送ってしまったのではないだろうか。もちろん間違っているのだが、他国にはそういう解釈をされた可能性がある。そこで、中国・ロシアという二大卑劣大国が、安心して調子づいた、ということではないか。
 こうしてみると、日本にとって対米関係が死活的に重要である、というのはこういうことだとよく分かる。