毎年恒例となっているTOKI-陶器祭りに、今年も行ってきた。相変わらずの賑わいで、私と妻は出店の焼きそばと鯛焼きを買って食べた。この鯛焼きというのが一風変わっていて、外見は普通の鯛焼きだが、中身は完全にお好み焼きであった。ほとんどお好み焼きの味しかしなかったが、なかなか美味しかった。yosikuriにも会うことができ、ゆっくり話もできた。今年はイベント責任者から外れたものの、それでも準備に半年近くかかり、大変だったようだ。
私が今回面白いと思ったのが、小さな骨董市である。今年は古本を扱っている店もあり、戦前や終戦直後の雑誌などが売られていた。いろいろあったので迷ったが、私が買ったのは昭和14年に発行された「週報」という政府機関紙である。「内閣情報部編輯」とある。当時は「五銭」で売られていたこの小冊子を、私は500円で購入した。「支那の民情と民族性」と題する特集が組まれており、面白そうだと思ったのである。
日中戦争さなかの発刊らしく、中には「陸軍省情報部」による「最近現地治安の状況」などという記事もあった。どこまで内容を信じていいのか分からないが、当時の陸軍も中国大陸で苦労していた様子が見て取れる。「北支方面・山西地区」という項では、「・・・また朱徳麾下の共産軍は五台、遼縣、沁縣及び石楼東方地区を根拠としこれ等の諸軍は各々所在の匪團を懐柔し民衆を武装し相當活潑な遊撃を行つてゐる有様である。・・・」という記述もあった。この共産軍の将軍、朱徳が後に中国の国家副主席となり、一時期(1975年あたり)には国家元首格になろうとは、さすがに「陸軍情報部」も想像さえしなかったに違いない。