Willow's Island

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座して平和は守れず

2009年08月15日 22時51分43秒 | 

 今年も終戦記念日が来た。戦争について考える時期である。私が最近戦争について考えたきっかけといえば、田母神俊雄・元空自幕僚長の書いた「座して平和は守れず」という本だ。実に分かりやすい言葉で、日本の防衛に関する問題について書かれている。中には「軍人は最も戦争を避けたがる」とか「核兵器は所持していても使用することは絶対にない」などという珍妙な記述もあるが、全体的には理解しやすく、自衛官ならではの意見が大変参考になる書物である。一度読んでみることを薦めたい。
 中でも印象に残ったのは、核武装理論である。そのまま核兵器を開発・所持するというのではなく、「ニュークリア・シェアリング(核分担)システム」を使えばいい、という考えだ。ニュークリア・シェアリングシステムとは、自前で核を保有せず、アメリカの核兵器(原子力潜水艦など)を使って日常的に訓練をし、有事の際にはアメリカから必要な量の核兵器を引き渡してもらえる仕組み、とのことである。ドイツやイタリアもこのシステムを導入しており、NPT違反にもならない、とのことだ。日本も導入を検討してみる価値はあるのではないだろうか。非核三原則の「持ち込ませず」は放棄することにはなると思うが、三原則は本当に死守すべきものであるかどうか、も含めてタブー視せず議論をするべきだと思う。