Willow's Island

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シッコ

2009年04月11日 23時24分37秒 | 映画

 マイケル・ムーア監督の「シッコ」をDVDで見た。なかなか面白かったが、内容的には「ルポ貧困大国アメリカ」を読んで知っていることが大半であった。要は、アメリカの医療がいかに悲惨な状態にあるか、ということである。まともな保険がほとんど無い上に医療費が恐ろしく高くては、中産階級であっても怖くて病院に行けないだろう。なぜ未だに国民皆保険でないのか理解できない。一部のアメリカ人は、国民皆保険のような制度を「社会主義医療だ」などと言って拒否しているらしいが、アメリカを除くほとんどの先進国では国民が容易に医療を受けられる、という事実をどう考えているのだろうか。いろいろと問題が指摘される日本の医療でさえ、アメリカに比べれば遙かに良好である。アメリカという国は先進国でありながら、人間が生きていくにあたってのリスクが非常に高い、といえるのではないだろうか。
 勉強にはなったが、映画としての評価はあまり高いとはいえない。ドキュメンタリーに徹し過ぎており、しかもヤラセっぽいシーンも所々見られる。内容が深刻なせいなのかもしれないが、もう少しムーア監督らしいユーモアがほしかった。名作「ボウリング・フォー・コロンバイン」を超えることは、なかなかできないのだろうか。