【ワシントン=米山雄介】国際通貨基金(IMF)は28日、最新の世界経済見通しを発表した。金融危機の影響で、2009年の世界経済の実質成長率は戦後最悪の0.5%まで落ち込むと予測。昨年11月時点の見通しから1.7ポイント下方修正した。10年には3.0%まで持ち直すと予想したが、金融機関の不良資産の抜本処理に加え、財政・金融政策での需要下支えの強化が必要と訴えた。
09年見通しでは、日米欧の主要国はそろってマイナス成長に落ち込む。国・地域別のマイナス幅は米国が1.6%、ユーロ圏が2.0%、日本は2.6%で前回予測から軒並み悪化方向で修正。特に日本は2.4ポイントの大幅修正となった。
高成長を続けてきた新興国も、ロシアがマイナス0.7%に転じるなど急減速する見通し。中国は6.7%とプラス成長を維持するが、前回予測からは1.8ポイントの下方修正。1990年(3.8%)以来の低成長率にとどまる。(28日 23:01)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090129AT1C2800M28012009.html
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トヨタも昨年に比べて生産台数を半減するとか言ってるし、割と景気の良かった東海地方も大打撃である。おかげで地元のハローワークは、派遣切りされたブラジル人であふれかえっている。なんでこんなに極端な不況になってしまったのだろうか。不況になる時は大抵、バブルの崩壊がある。ここ数年は世界経済がやたらと調子良かったが、それは新興国の成長とかは関係なしに、やっぱり金融バブルだったのかもしれない。実体経済の何倍にも膨れあがったマネーが、投資市場に流れ込んだのだろう。
「金融立国」なんて言葉があるが、金融というのは経済を構成する一部分に過ぎず、そればかりが過大評価されて膨れあがったところで、先は見えている。本来金融とは、事業を興す者に融資を行って、産業の発展に資することが役割なんじゃないのか。複雑で高度な金融工学とやらが開発され、金を儲ける技術がいくら発達しても、結局は「金で金を生む」作業を繰り返しているに過ぎず、そんな都合のいい話が未来永劫続くはずもない。金っていうのは「価値を表す記号」に過ぎないんだから。記号自体にそんな大した価値があるわけなかろう。いくら製造業が新興国に追い上げられて不利になってきたとはいえ、金融だけで国の経済が成り立っていくわけない。アイスランドやイギリスが良い例だ。やはり先進国としては、新興国に負けないような高付加価値な製品やサービスを生み出していくしかないのだろう。