Willow's Island

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マラソン

2005年07月09日 23時33分44秒 | 映画
 韓国映画「マラソン」を見た。
 自閉症の主人公チョウォンがマラソンによって成長していく姿を追った物語だが、障害者ものの映画にありがちな湿っぽさはなく、見た後実にさわやかな気持ちになれる作品である。主人公の知的障害者ならではのギャグもたくさん盛り込まれており(こういったギャグはさじ加減が難しいだろう)、気軽に楽しむこともできる。
 前半のギャグとテンポの良さだけで十分に楽しめるが、もちろんそれだけではない。母親の手を離れ、自分の意志を持ち始めたチョウォン、自分が息子の気持ちを分かっておらず、エゴを押し付けていたことに気付き悩む母親、兄ばかりにかまう母親のもとで常に孤独だった弟の成長、酒びたりになりながらも走ることの楽しさを思い出すコーチ、など、人間ドラマが実に見事であり、感動を作り出すことに成功している。特に最後の、マラソンのゴールへと近づいていくチョウォン、そして走りきった後の「スマイル」が、私の涙腺を直撃した。私は映画館の中で、思わず声が出そうになるのを「ウッ」と言ってこらえた。(^^;)
 それにしても、チョ・スンウの演技は実に見事だ。完全な自閉症にしか見えなかった。「春香伝」で見せた知的なイメージとのギャップがすごい。(^^)