村上春樹は好きでない。”ノルゥェーの森”を手にした時、理解できずにギブ・アップした。毎年ノーベル文学賞を目指していたらしいが、ある外国の作家が彼の本には核心に確固たるものがない…と言っていたが、そう思う。”ドライブ・マイ・カーが映画になってたくさんの賞を取ったとか聞いて原作を読んでみた。短編で解り易い。俳優の彼が癌で女優の奥さんを亡くし、その奥さんがかつて関係した俳優の一人と出会い美しかった奥さんを偲ぶ。夫の知らない妻の秘密を探り苦しむ夫。自分に無くて彼にあるものは?”彼女をいつか失ってしまうかもしれない。そのことを想像すると、それだけで胸が痛んだ”と言う。また死んでしまった美しい一人の女に今だに心を惹かれ続けているという共通点を持ち二人の男は友達になった。読後、人間の精神の深さにあれこれ思いを巡らせ眠れなかった。しかし映画は3時間という。この短編をどのように膨らませたか?。この短編を読んで自分なりに理解を深めた方が充実すると考える。