姜 尚中の「母、オモニ」を読み、何か物足りない思いをしたので、講談社発行「在日」を読んでみた。故郷の祭儀や風習、食生活や儀礼に対する母親の異常なほどのこだわりは異国の地で、あえて旧暦の中に身を置き必死に生きた証し、母亡き後「故郷」と「祖国」を失ったと言う。ドイツ留学の体験もその後の人生の転機になり、アイデンティティなどと言うものより、潮流の中で身悶えせずに生きて行く事に納得したと書いています。知的で物静かな語り口、決して出すぎず相手の話に最後まで耳を傾ける姜 尚中さんはこうして今あると言う事が私にも納得できた。