三島由紀夫没後40年、記念出版が盛んです。その一冊”その秘められた不可能な恋”の帯書きにつかまり高橋英郎著「三島あるいは優雅なる復讐」飛鳥新社出版を読んだ。驚いたことに正田美智子さんと三島由紀夫は歌舞伎座でお見合いをしたと言う。「春の雪」は三島由紀夫のその思いを描いた、綾倉聡子は美智子妃そのものと著者は推測して解説しています。大胆な仮説と思われるが、著者の緻密な”読み”に納得させられる。「春の雪」新潮連載の終わりの頃、三島は村松剛に”あれは私小説なんだよ”とぽつりと言ったという。後に続く三部は全くつまらなかったし、何故「豊饒の海」四部作としたか疑問だったが、高橋英郎もこの「春の雪」を書きたいがためのカモフラージュと言っている。驚きと共に胸の痞えが降りた感じです。