Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

黒衣の修道僧

2010-03-07 09:12:37 | 日記
チェーホフ生誕150年記念企画で未知谷から出版されたチェーホフ・コレクションの一冊「黒衣の修道僧」を読んだ。”大人も愉しめる瀟洒な絵本”のキャッチフレーズに捕まり買ってしまった。これは幻想的な物語、文学修士のゴヴリンは精神的に疲れていたが彼の前に現れる幻の修道僧と宗教や哲学の話をする事で元気になる。家族愛に包まれながらもそれは狂気、誇大妄想へと進み破滅の道へ。この過程が良く書かれていてぐいぐい引き込まれた。これは訳者の文学的な素養も大きいと思う。幻想的な物語ですが読後、納得し肯定出来る思いが湧きました。それはゴヴリンの死顔に微笑が浮かんでいたと終わりに書かれていたからです。
コレクションと謳っているだけあってカヴァーを外した表紙は布張りで上等です。”大人も愉しめる瀟洒な絵本”は正にその通りだった。