加藤廣著「信長の棺」、「秀吉の枷」に続く第三部が「明智左馬助の恋」です。信長の書記を勤めた太田牛一が本能寺の変後、不明の信長の遺骸に迫った「信長の棺」。信長の遺骸の所在が不明が故に翻弄される天下人の悲哀を描いた「秀吉の枷」。明智光秀の謀反に至る過程を娘婿、左馬助を軸に描いた「明智左馬助の恋」。共に著者は太田牛一の書いた”信長公記”を基にミステリアスにドラマティックに描いていて、ぐいぐい引き込まれて読んだ。歴史に弱い私だが、信長公記にはこう書いてある…と随所に(注)が出て来て、史実の上にドラマがあり、納得して物語の中に入り込めた。しかも、明治政府が秀吉に弾圧され小寺に転落した阿弥陀寺を信長の正式な埋葬地として追認した事実がある事を加藤廣さんは力説している。太田牛一の”信長公記”が読みたくて図書館で借りてみたが、古語で書かれていて悲しいかな~断念…。