9月から、オークラアクトシティホテル浜松、
そして南麻布の分とく山の料理教室に
参加させていただいております。
プロの料理人の方々のお話を伺っていると、
料理方法は時代とともに変わってきていることに
気づかされます。
これは、オークラアクトシティホテル浜松の
中国料理 平野料理長に教えていただいたことですが、
油淋鶏という中国料理があります。
揚げた鶏の上に、香味ソースがかかっているあのお料理。
ずっと「なぜ淋しいという字が使われているのか?」
とても気になっていました。
このお料理、今は、鶏の唐揚げを作って、
その上に香味ソースをかけるという手順ですが、
昔、油が貴重だった時代は、
「揚げる」などという贅沢なことはできず、
少量の油を鶏に回しかけて、中まで火を通していました。
この「少量」を表すのが「淋」なのだそうです。
でも、今は昔ながらの方法で作る人は少なくなりました。
そして、分とく山の野崎洋光さんに教えていただいたことは、
ごま豆腐になぜ葛が使われるのか?・・・ということ。
ごま豆腐が日本でいつ頃から作られるようになったのか、
詳しい時期はわかっていませんが、
永平寺が開かれたのが1244年。鎌倉時代です。
【こちらは、永平寺直伝のごま豆腐です】
その時代には、食材を固める働きのあるものといったら
葛しかなかったのです。
その後、明治時代になって片栗粉が登場しますが、
ごま豆腐には葛を使うということが守られています。
私も、何度かごま豆腐の作り方を教えていただきましたが、
やはり葛でなければいけないと思い込んでいました。
しかし、野崎さんは
「今は、片栗粉もゼラチンもあります。
それで十分です。」
とおっしゃいます。
その一言で、ごま豆腐のハードルが下がった思いがします。
料理法は時代とともに変わり、
鶏は淋しくなくなり、
ごま豆腐はいつもキッチンに置いてある片栗粉で
できるようになったのですね。 (*^_^*)