透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

10上田市前山の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


1447 上田市前山 多目的研修集会施設前山会館 4柱4〇型たばね脚 2023.02.09


 火の見櫓を見てすぐ半鐘に何か付いてることに気がついた。


脚の付け根のところに「消防信号打鐘装置 スリバン」と表示されたボックスが取り付けられていた。どんな仕組みなのか分からないが、見張り台まで登らなくて地上で半鐘を叩くことができる優れものだ。スリバンは近火を知らせる連打のことで、ボックスの赤いスリバンの文字の下の●は打ち方を図案化したもの(下の写真の右端の叩き方)。




カンガルーポケット(櫓から持ち出した踊り場)の平面形も様々だが、これは半円形。下から見上げると見張り台の円との組み合わせがなかなか好い。リングを塞ぐ〇プレート4つに文字が書かれていた。錆びていてよく見えなかったけれど「火の用心」と判読できた。



 


7珍しい組合せ 上田市手塚の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)上田市手塚 3柱48型複合脚(正面:ショート三角、他の2面:ブレース囲い)2023.02.09


 この火の見櫓を2014年10月に既に見ているが、当時は全く見る目がなかったと思う。3角形の櫓に4角形の屋根、8角形の見張り台という珍しい組合せに気がついていなかったようだ(過去ログ)。あまり良い評価をしていない。確かにあまり端正なつくりとは言えないが、レアな組合せの火の見櫓だというのに。


この組合せに興奮して何枚も写真を撮った。4角形の4隅を落とした見張り台を8角形とみる火の見ヤグラーもいる。幾何学的に割り切って捉えればその通りだが、私はそのような見張り台は4角形と見ている。だが、この見張り台は紛れもなく8角形だ。きちんと調べていないが、8角形の見張り台は少ないのでは。


複合脚。1面だけ、火打ち(ショート三角)を入れて、開口を確保している。脚元に防火水槽が設置されている。


 


6上田市山田の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)上田市山田 山田公会場の前 4脚4〇型たばね脚 2023.02.09


 火の見櫓のある風景を①しか見ていなければ、何年か経って②を見れば、別の火の見櫓だと思ってしまうと思う。このようなことをもう何回も経験した。およそ何基見たか、概数を把握したいと思っているので正確な数字である必要はないけれど、やはり気になる。この火の見櫓も初見だと思ったが、既に見ていた(写真③)。


この写真を見て①と同じだと直ちには気がつかない。季節が違うし、火の見櫓の後ろに写っている建物も無くなっている。踊り場に吊り下げてある板木で気がついた。








「別所・八木沢地籍の火災には半鐘を鳴らさないで下さい。消防山田班」 混乱を避けるためだろう。


 


5上田市八木沢の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)上田市八木沢 上田電鉄別所線八木沢駅近く 4柱4〇型たばね脚 2023.02.09

 この風景を覚えている、スケッチしたことがあるので。ただ漫然と写真を撮るだけで観察しなかった火の見櫓は記憶に残らないことがある。保野の火の見櫓は記憶になく、初見だと思っていたが、写真があった。




すくっと伸びた避雷針、くるくる巻いている蕨手。円形の見張り台の床に放射状に架けた床下地材(根太)。


あまり撮ることがないアングル。


 


4上田市舞田の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


(―)上田市舞田 舞田公民館(火の見櫓の後ろの建物)4柱4〇型たばね脚 2023.02.09

 東信(*1)地域の火の見櫓は柱が直線で、ブレースも櫓の上下で仕様が違うことが多い。中信地域の火の見櫓とは見た目の印象が違う。


屋根も見張り台も形が整っているけれど、これだけスピーカーを設置されてしまうとなんとも・・・。


櫓中間の踊り場、カンガルーポケット。ブレースの仕様もここで変わっている。リング式ターンバックルが大きいのはこの辺りの特徴か。メンテナンスされていて、錆ていない。


たばね脚。コンクリートのボックスが気になる。


鋼製枠が残っている。鉄扉が付いていたのだろう。元々の用途は何だったんだろう・・・。


 

*1 東信地域は長野県を大きく4つの地域に分けたうちの1つで、上田佐久地域を指す。中信地域は松本安曇野大町地域。



3上田市保野の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


1445 上田市保野 3柱3無型ブレース囲い 2023.02.09






半鐘を叩く木槌が消防信号板の裏に吊り下げてあった。


柱間寸法約1.7m

 この火の見櫓も前稿のものと同じタイプ。見張り台が無い櫓を今までに見た記憶がない。柱を3本にして櫓を構成するのは、見張り台をつくるため、と言ってもいい。前稿にも書いたが見張り台をつくらないなら、この高さ(屋根のてっぺんまで約5m)だと火の見梯子で充分事足りる。火の見梯子の控え柱と同じ役目を櫓が負っていると捉えれば、これは「火の見梯子控え櫓付き」としてもよい。珍しい。こんなのが立っているから火の見櫓めぐりはかっぱえびせん。♪やめられない とまらない 


 


2上田市保野の火の見櫓

2023-02-10 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)上田市保野(ほや)3柱3無型ブレース囲い 2023.02.09


 昨日(9日)、上田市まで出かけて行ったのはこの火の見櫓と次稿に載せる予定のこれとよく似た火の見櫓を見たかったから。やぐら友だちが、これと次稿の火の見櫓をインスタに載せていて、その写真を見てから自分も見に行きたいと思っていた。

なぜ、見にいきたいと思ったのか。それは、見張り台は有るけれど、屋根が無い火の見櫓はそれ程珍しくないけれど、屋根が有って、見張り台が無い火の見櫓は珍しいから。この火の見櫓は火の見梯子のような使い方をする。このくらいの高さなら火の見梯子控え柱付きもあり、とは判断しなかったのだろう。


梯子桟に立ったまま、左手で梯子の支柱か櫓の柱を掴み、右手で半鐘を叩く。

 
脚部下端とブレース交叉部分の様子



全く記憶になかったが、この火の見櫓既に見ていた。2016.10.10


1上田市小島の火の見櫓

2023-02-09 | A 火の見櫓っておもしろい

■ 信州の鎌倉「別所温泉」周辺を塩田平という。今日(9日)、塩田平で火の見櫓めぐりをして、初見と再見合わせて12基見てきた。順次紹介していきたい。


(再)上田市小島 4柱4〇型たばね脚 2023.02.09


この風景に既視感があった。調べてみると、2014年の7月に見ていた(過去ログ)。



東信地域では屋根が4角形で見張り台が円形という組合せが多く、全体の7割近くを占める。また櫓の交叉ブレースは上部が平鋼、下部がリング付きの丸鋼というタイプが多い。踊り場は櫓の1面だけに張り出すタイプが多い。また、脚はアーチ形の補強部材を柱と一体化して下端まで伸ばした、たばね脚が多く、全体の6割を占める。この火の見櫓はこれらの特徴をすべて備えた、東信のプロトタイプ。


 


18北杜市高根町の火の見櫓 再見に気づかず(追記)

2023-02-09 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)北杜市高根町五町田 4柱44型トラス脚 2023.02.05

 三角柱を横に倒して置く。前から見ると四角形に、横から見ると三角形に見える。では前(または後ろ)から見ると四角形、横から見ると三角形、上(または下)から見ると円形に見える。この立体はどんな形でしょう。このようなことを問う問題が随分昔(*1)にベストセラーになった『頭の体操』というクイズ本に載っていたことを覚えている。この立体の形はコーヒードリッパーに似ている。是非確認を。

ものはどこから見るか、見る方向によって形も印象も違う。火の見櫓も同様で、アプローチする方向が違うと印象が全く違って、以前見た火の見櫓だと気がつかないことがある。5日、最後に見たこの火の見櫓がそうだった。既に数回見ているのに、全く気が付かなかった。

今までは中央道の長坂ICから県道32号を東に進んでこの火の見櫓の手前まで来ていた(上の写真に写っている道路(県道32号)を左から)。今回は初めて、西に向かってここに来た(県道を右から)。自宅に帰ってから写真データを確認してようやく既に見ている火の見櫓だと気がついた。


前面道路沿いに消防倉庫、その横やや後方に火の見櫓を配置している。なだらかに末広がるフォルムが美しい。


本稿で今回見た火の見櫓18基の掲載終了。
・車を空き地などの安全な場所に停めることを心掛けた。そのこともあるかと思うがかなり歩き、この日の歩数はおよそ6,000歩だった。
・ひのみくらぶ会員のひのみちゃんと一緒に火の見櫓めぐりをした。楽しく有意義な一日であった。感謝。

追記2023.02.09
山梨県北杜市内で見た火の見櫓17基の型の内訳
4柱44型    ・・・・・ 7
4柱4○型      ・・・・・4
4柱8○型      ・・・・・1
3柱1構面梯子型  ・・・1              
4柱1構面梯子型  ・・・1
火の見梯子控え柱付き  3
                              計   17
北杜市内で見た火の見櫓の型は4柱44型が最も多かった。長野県の南信地域でも同様の傾向がみられる。


*1 第1集の刊行は1966年。


16北杜市高根町の倉庫またぎ再見

2023-02-08 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)北杜市高根町箕輪 4柱4○型複合脚(倉庫またぎ)2023.02.05

 更に国道141号を北上する。八ヶ岳を背景に凛として立つ火の見櫓が見えてきた。上の写真は国道のすぐ横の農道から撮った1カット。




反対方向から




倉庫またぎ。倉庫が歪んで見えるのは平面が台形のため。消防団員が火の見櫓に掛けてあった消火ホースを片付けていた。もう半鐘を叩くことはないですと団員さん。

360
風向計の矢羽根の文字を読みたくて写真を撮った。カタカナで「ナツア」? 所在地の地名のことがあるけれど、この意味は分からない。


 


14北杜市高根町の火の見梯子

2023-02-07 | A 火の見櫓っておもしろい


1443 北杜市高根町箕輪 火の見梯子控え柱付き 2023.02.05

 北杜市須玉町まで移動、昼食。その後国道141号で北上する。同市高根町箕輪まで来て、火の見櫓が同時に2基前方視界に入ってきた。これ程近くに2基立っているところを見るのは初めて。この2基はおよそ60mしか離れていない(ネット上の地図計測による)。




手前の火の見梯子から。控え柱2本で火の見梯子を支えている。見張り台を支える方杖を柱の同じ位置から出している。端部をつぶして平らにして、柱とボルト留めしている。梯子残端部のボルト留めの様子も分かる。錆がひどく、支柱に穴が開いていた。