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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「今世紀 人口減は自然の摂理」という記事

2018-02-26 | g 新聞で学び考える〇

 信濃毎日新聞の昨日、25日付朝刊の5面に掲載された川島博之氏の評論「今世紀 人口減は自然の摂理」を読んだ。

昨年1年間で、日本の人口は約40万人減少したという。2053年には日本の人口は1億人を下回ると予測されている。人口減少についてはこのところマスコミが時々報じている。よく取り上げられる人口減少の要因がこの評論でも紹介されている。それは**若い世代の貧困、女性の高学歴化に伴う晩婚化、子育てと共働きを両立できない社会**といった社会学的な視点からの指摘だ。

人口減少に転ずるまでは世界の人口は増加してきていたが、20世紀に爆発的に増加し、**1900年に16億人であった人口は2000年に61億人にもなった。**という。ちなみに1900年(明治33年)、日本の人口は4600万人だったそうだ。

爆発的な人口増加を支えたのは食糧不足の解消で、具体的には化学肥料、中でも窒素肥料がいくらでも作れるようになったことだという。窒素肥料がいくらでも作れるって、どうやって? **20世紀に入ると空気中の窒素を工業的に固定する技術が開発されて**と文中にある。

一方で深刻な食糧不足も報じられてもいるが。

この評論でなるほど!と思ったのは評論の最後、次の件(くだり)。**20世紀の人口増加はいささか自然の摂理に反していたようだ。(中略)地球は人間だけのものではない。多くの生物が生きる場である。人類だけが爆発的に増えるべきではない。目に見えない自然の摂理によって、人口増加が抑制され始めた。(後略)**

自然の摂理、これは何なんだろう。地球全体の状況を見通す造物主の存在でも仮定しないと理解できないような現象がなぜ起きるのだろう・・・。


拙ブログの記事では引用箇所の前後に**を付けています。

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「脳の誕生」

2018-02-23 | g 読書日記

■ 朝カフェ読書で『脳の誕生 発生・発達・進化の謎を解く』大隈典子/ちくま新書を読み始める。理系本は用語の概念規定がきちんとなされており、内容は難しくても理解しやすい。


書棚で目に付いた「脳」に関する本をピックアップしてみた

脳がテーマの理系本は昔から読んできた。高校3年の時に『脳の話』時実利彦/岩波新書を読んだのがきっかけになっているかもしれない。残念ながら、自室の書棚からこの本を探し出すことはできなかった。

**ヒトの受精後8週くらいで、脳の元となる「原基」がほぼ出来上がることになります。ヒトは受精後38週で生まれるので、これからの30週の間にどのようなドラマが展開するのか引き続き見ていきましょう。**(第2章の結び 044頁)

今までに読んだ本は脳の機能に関するもの。この本は脳の発生・発達・進化という、興味深いテーマを扱っている。今週末に読みたい。


 

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「空海に学ぶ仏教入門」

2018-02-21 | g 読書日記

■ 空海が唐から帰国後に著した「十住心論」を通じて、伝統仏教の概要を解説した『空海に学ぶ仏教入門』吉村 均/ちくま新書を読み終えた、いや、字面を追い終えた。

十住心というのは、**インドや中国からの様々な仏教の教えを、十の心のあり方に体系化した**(039頁)ものだという。心のあり方が十もの段階に分けることができるとのことだが、自分の内面、心を見つめることなどしていないので、この本の説明文を読んでも理解することができなかった(わざわざ書くまでもないが、この責はもちろん私にある)。

第一段階は「異生羝羊心」というとのことで、次のように説明されている。**欲望のままにふるまい悪をなす心です。しかしそうやって得られるのは、苦しみでしかありません。本人はそのことに気づいていないのです。**(041頁)

次、第二段階の「愚童持斎心」は第一段階を受けて次のように説明されている。**しかし、そのような人も、何かのきっかけで、よいことをなすことがあります。それに慣れてくると、次第に心は変わり、以前とは違って、悪いことを見ると、嫌だ、という気持ちがおきるようになってきます。**(041頁)

まあ、私の心もこの段階くらいにはあるのかもしれない・・・。

この本は第1章から第6章から成り、第3章から第6章にわたり、十住心について詳しく解説している。が、既に書いたように理解が及ばなかった。

**本書が、仏教や弘法大師の教えへの関心のきっかけとなりましたら、それにまさる喜びはありません。**(237頁) このように著者の吉村氏はあとがきに書いている。

もともと仏教にはあまり関心がないが、空海(弘法大師)には関心があり、これからも「空海本」は読んでみようと思う。以上!


 

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朝カフェ読書

2018-02-17 | g 読書日記

 「ホットのショートをマグカップで」いつもこのように注文し、そしていつも302円、おつり不要で支払う。で、スタバの女性店員も覚えていてくれて、笑顔で「いつもありがとうございます」と答えてもらっている。

一昨日(15日)久しぶりに朝カフェ読書をした。読み始めたのは『空海に学ぶ仏教入門』吉村均/ちくま新書。これで今月ちくま新書は3冊目。

伝統仏教の教えを空海が説き示したという「十住心」。この「十住心」を通じて仏教の全体像を解説した本。数年前、菩提寺(真言宗)の檀家総代をしていた時、空海のことを少し勉強してみようと「空海本」を何冊か読んだが、その延長としてこの本を読んでみようと思った次第。

とくに仏教に強い関心があるわけではない。なんでも読んでみよう、ということで。


 空海の主著である「十住心論」と「秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)」は淳和天皇の勅命により書かれたものだという。

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― 常念には火の見櫓がよく似合う

2018-02-14 | g 火の見櫓のある風景を撮る〇


(再) 松本市水汲の火の見櫓 撮影日180214

 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)のすぐ近くに立っている火の見櫓。よく晴れて後方の常念岳がくっきり。三角の常念に三角の屋根。常念には火の見櫓がよく似合う。


 

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「松本清張の「遺言」」

2018-02-12 | g 読書日記



■ 松本清張の作品には中学生のころから接してきたから、清張作品について書かれたものには関心がある。

しばらく前に『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』高橋敏夫/集英社新書を読んだ。で、今度は『松本清張の「遺言」『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く』原武史/文春文庫を読み始めた。

原さんは**私自身、近現代史を中心とする日本政治思想史の研究者として、清張の昭和史研究から大いなる知的刺激を受けてきました。いやそもそも、昭和史に関心をもったきっかけは『昭和史発掘』であったと言っても過言ではありません。** とまえがきに書いている。

私は清張の遺作『神々の乱心』を読んではいないが、今日(12日)この本を書店で手にし、ぱらぱらと立ち読みして、読んでみようと思った次第。

読みたい本を読みたいときに読む。趣味としての読書とはそういうものだろう。


 

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「やりなおし高校日本史」

2018-02-12 | g 読書日記


『やりなおし高校日本史』野澤道生/ちくま新書

 書名に魅かれて買い求めた。日本史をきっちり勉強しなおしたいという気持ちはいまだあれど、老化した我が脳みそでは既に時遅しか・・・。

**歴史の解釈は日々変化しており、自分たちが習ったことが今では違っていたりするから、学びなおしには新たな発見もある。**(カバー折り返しの本書紹介文より)

章立てを一学期、二学期、三学期に分けて、一時間目の「律令国家「日本」誕生までの道(ヤマト政権の時代)」から十二時間目の「二大政党時代の光と影(大正・昭和時代前半)」まで全十二講で日本史のトピックを取り上げて解説している。

六時間目の「執権北条氏の政治的立場(鎌倉時代)」では、まずはじめに鎌倉幕府はいつ成立したのか、というテーマを取り上げ、その成立過程を解説している。

鎌倉幕府はステップ・バイ・ステップ、段階的に成立したのであり、最後の段階、1192年に頼朝は東国の支配を象徴する官職として征夷大将軍に任じられた。なぜ長い間、征夷大将軍になった時をもって幕府成立とされてきたのか(1192、イイクニつくろう鎌倉幕府)、このことについてなるほど!な説明がなされている。

日本史を古代から現代まで学び直す。いや、学び直すというか学ぶ。興味・関心のあるテーマだけに限定して。


 

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「古代史講義」を読む

2018-02-10 | g 読書日記


『古代史講義 邪馬台国から平安時代まで』佐藤信編/ちくま新書

 **今日、日本古代史は研究の個別細分化が指摘されて久しく、だんだんと狭い範囲の個別実証に限定された、間口の狭い研究が増えているという面も見られる。また一方で、史料にもとづかない思いつきや奇抜な推測から面白おかしい歴史像を提示しようとする出版企画もみられるように思う。本書は、その両者とは距離を置いて、多様な歴史資料の実証的検討の上に立ち、古代史像がダイナミックにどう動いているのかを描こうとした試みである。**(はじめに 10、11頁)

古代史ではないけれど、鎌倉時代のスタートを「イイクニ(1192)つくると鎌倉幕府」と覚えたが、いつごろからか、1185年(ころ)に変わっている。何年か前、長野県内のある小学校に所用で出かけた際、普通教室の壁に張ってある歴史年表を見て、1192年ではなく、1185年になっていることに気がついた。

「多様な歴史資料の実証的検討」によって古代史の通説が覆されているという。

もともと歴史には疎いので、基本的な事柄も頭に入っていないが、繰り返し関連本を読むことで、古代史の輪郭が浮かんでくればよい。別に試験があるわけでもない、気楽なものだ。


以上、備忘録

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ブックレビュー 2018.01

2018-02-03 | g ブックレビュー〇

 早や2月。1月に読んだ本は7冊。毎月このくらい読むことができれば好いのだが。

『蒼天見ゆ』葉室麟/角川文庫 
葉室さんは昨年(2017年)の暮れに亡くなった。66歳だった。葉室さんは、矜持をもって清く美しく生きる者が主人公の作品を何作も残した。江戸の敵を明治になって討った、最後の仇討を題材にした作品。

『敵討』吉村昭/新潮文庫
この本には中編が2編収録されている。「最後の仇討」は「蒼天見ゆ」と同じ仇討を題材にした作品。吉村さんは細部まで史実に拘ったそうだが(事件当日の天気なども調べて書いたという)、この作品も記録的性格が強い。両作品を比べるとこのことがよくわかる。

『町を住みこなす』大月敏雄/岩波新書
時の流れと共に変化する人のニーズに合わせて町を変えていき、住みこなす。住まいや町に求められるのは人のニーズに合わせるように変えていくことができるような諸々の計画。この本では実態調査に基づき、このことを論じている。

『ひとり空間の都市論』南後由和/ちくま新書
**本書では、単身者でいることを無批判に肯定するのでも否定するのでもなく、空間という切り口から、都市における「ひとり」の生態を記述したいと思った。あくまで「おひとりさま」現象が空間としてどう立ち現れているかに問題関心があり、そのことを都市の成り立ちと結びつけて考えてみたかったのである。**(あとがき 245頁)

**「ひとり空間」という言葉には、人と空間を分けるのではなく、両者の関係性を考えたいという狙いが込められている。これは、社会学に軸足を置きながら、建築学の領域にもはみ出して研究を続けている、私の問題関心の表れでもある。**(246頁)

『雲を愛する技術』荒木健太郎/光文社新書
雲研究者、気象庁気象研究所予報研究部研究官という、雲のプロが書いた雲の解説本。豊富なカラー写真を見るだけでも楽しい。

『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』高橋敏夫/集英社新書
**一見穏やかでなにごともないような日常からときおり立ち上がる「何故だろう、何故だろう」という疑問を入口に、人と社会と国家の秘密、(中略)政財官界の汚職、疑獄、国家規模のたくらみ、重大機密、戦争に関係する過度の機密保護まで、さらには国家間の密約やグローバル化する世界での経済的不正、政治的謀略までをも、その幾重もの隠蔽と黒い企てもろともさぐりあて、それを暴露し、しずかに告発しつづけた。**(14、15頁)

『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子/河出書房新社
もう何年も前から、小説は文庫でしか読まなくなっている。単行本で小説を読むのは久しぶり。この本も自分で買い求めたわけではなく、妹から借りた。

夫に死なれ、子どもとは疎遠な桃子さん(74歳)のひとり暮らしの日々。独り逝くのではない、生くなのだという強いというか、たくましい桃子さんの意思。

本の帯に斎藤美奈子、藤沢周、保坂和志、町田康4氏の書評が載っている。

私は藤沢周氏の**宮澤賢治「永訣の朝」にある「Ora Orade shitori egumo」のフレーズ。それを悲しみのうちに死ぬの意ではなく、独り生きていく「自由」と「意欲」に結びつけた。「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された。**という書評がしっくりくる。


 

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― 東京タワー

2018-02-02 | g 火の見櫓考〇

ビルをまたいで立つ東京タワー


撮影日180201 地下鉄大江戸線 赤羽橋駅前にて

 セミナー参加のため日帰り東京。朝早く発って、東京タワーに立ち寄った。セミナー会場へは大江戸線、有楽町線を乗り継げばそれほど遠まわりにはならない。

東京タワーには構造力学上の合理性があり(自然が求める形に素直に従っていると言い換えることもできる)、火の見櫓の理想的なフォルムを示している。



東京タワーは脚元のビルをまたいで立っている。施工手順は東京タワーの建設が先ではあるが、今見るこの様子は、「またいで立っている」。


撮影日140523

原村にあるこの火の見櫓のように、東京タワーの脚がビルに突き刺さっていたら、シュール! でも東京タワーが建設された、あのころ、まじめな国民・建設関係者はこんなことは考えもしなかっただろうなぁ。

両者地震時の挙動が全く違うから、貫通部分の処理が難しいとは思うが、そこは地震国日本の建築技術、今なら難なく解決できるでしょう。




 

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