透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

UFO

2010-06-30 | A あれこれ

ワコール麹町ビル 100626

 先週の土曜日、東京ではよく歩いた。ケータイで歩数履歴を確認すると、この日は25358歩となっている。歩幅を平均50cmとすれば、歩行距離は12km以上となる。

浅草で歩いた。浅草から銀座線に乗り、神田で下車するはずが、読書をしていて気が付いたら日本橋だった。で、日本橋から東京駅前のオアゾまで、たぶんこの方向だろうと適当に歩いた。次、竹橋の東京国立近代美術館からこのビルの近く、有楽町線の麹町まで歩いた。

このビルは黒川紀章の設計。エントランスの庇はUFO。てっぺんにはリング状の飾り(設置するとき、クレーンで吊り上げるため? いや、特に機能はないだろう)が付いている。外壁に金属パネルが採用され、未来志向のデザインがされている。だからUFO、ということだろうか。


ワコール麹町ビル外観 1984年撮影


松本駅近くにて

ワコールならこんなデザインもあったかも・・・、最後はアルコール中年の感想。


028 やがて

2010-06-30 | A 火の見櫓っておもしろい

    
028 安曇野市穂高有明  撮影日100630


 

 屋根の一部が欠損しているためなのか、全体的に少し貧弱に見える。屋根の頂部には矢羽根付きの棒状突起(避雷針か)がついている。これはよく見かける意匠だ。

このように老朽化してくるとやがて解体・撤去されてしまうだろう。すべての火の見櫓がたどる道だろうか・・・。


 


先端のデザイン

2010-06-28 | A あれこれ



■ 前稿に加えてこの写真を載せます。東京国立近代美術館工芸館です。「アール・デコ時代の工芸とデザイン」という展覧会を観てきました。

前稿では「先端のデザイン」に注目したのです。

①は浅草寺の五重塔の頂部、てっぺんの相輪です。

②は「乳金物」。 建築大辞典(彰国社)には**半球形の座金の先に短い円筒形の金物が付いている乳房に似ている金具。門扉の釘隠しに主として用いられる。(後略)**とあります。まさか本物のおっぱいの写真を載せるわけにはいきませんから。神様は人気スポットの先端をこのようにデザインしたんですね。

③は日本橋の灯具、やはり先端、さきっちょ、さきっぽに注目です。

先端のデザインには何か特別な思いが込められているような気がします。これからは先端のデザインにも注目です。

人は先端をどのようにデザインしているのだろう・・・。神様は先端をどのようにデザインしたのだろう・・・。 


浅草から東京スカイツリーを望む。 100626


?

2010-06-27 | A あれこれ






■ 「透明タペストリー」を読んでいただいている皆さんに問題です。

あることに注目して昨日(26日)これらの写真を撮りました(撮影地はすべて東京)。一体どんなことに注目したのでしょう・・・。

答えは後ほど。


浅草寺仲見世通り

2010-06-27 | B 繰り返しの美学


 浅草寺の仲見世通りが「繰り返しの美学」であることには前から気がついていた。昨日(26日)の午前中に出かけた。

雷門から浅草寺(現在工事中)まで、仲見世通りはおよそ250メートルあるとのことだが、同じデザインで秩序づけられた通りは遠近感が強調され、通りの両側に軒を連ねているさまざまな店舗が縁日のような雰囲気を醸し出している。非日常的な空間は歩いていて楽しい。



通りの裏側は壁の色が統一されている。これはべんがら色、でいいのかな。表側とは全く表情が違うが、これも繰り返しの美学のパターンのひとつだ。私は裏側の表情の方が好きだ。

027 火の見櫓観察は続く・・・

2010-06-27 | A 火の見櫓っておもしろい


027 東京浅草

 昨日(26日)、所要があって東京した(「東京する」などという言葉はないが・・・)。午前中は浅草で路上観察。浅草寺近くの店の壁を飾っている「火の見櫓」。火の見櫓に注目していなければ、まず観察することのない飾りだ。

今朝、新宿発7時のあずさに乗車。高架化された国立駅を過ぎたあたりから火の見櫓がないかなと窓の外を見ていた。八王子駅の少し手前(豊田駅寄り)で火の見櫓を見つけた。東京にも火の見櫓がある!それも中央線のすぐ近くに。

山梨県内でも火の見櫓を何基も見た。山梨は長野と同様、火の見櫓の多い県だ。あずさが長野県に入って間もなく、青柳という駅の近くだと思うが、スタイルのよい火の見櫓を2基見た。

どちらも白い綿のシャツと、丈が長くて白いフレアースカートを身につけ、つば付きのやはり白い小さな帽子をかぶったスタイルのよい女性のような火の見櫓だった。オルセー美術館展で観たクロード・モネの「日傘の女性」に喩えてもよい。さわやかな印象だった。

さらに近くには4本の柱がそれぞれ垂直に伸びてそのまま大きな屋根を支えている、直方体の櫓の、いままで見たことのないデザインのものもあった。見張り台は2畳(1坪)くらいあるかもしれない。

いつか観察に出かけたい。まだまだ火の見櫓の観察は続く・・・。


 


― 石造の火の見櫓?

2010-06-23 | A 火の見櫓っておもしろい


― 火の見櫓ではない(太鼓櫓) 
大町市の竃(かまど)神社の前面道路脇にある火の見櫓ならぬ太鼓櫓 撮影日100623

 石造の火の見櫓は珍しい。ネットでこの火の見櫓のことを調べてみると、どうやら大正年間につくられた石造の櫓(?)を昭和35年に修復して火の見に転用したということのようだ。石の表面に刻まれた文字をきちんと読めばこの火の見櫓の由緒が分かるかもしれない。

裏側に梯子が取り付けられている。見張り台の下が1メートルちょっと鉄骨造なのは石造部分が低すぎたということか。デザイン的には石造の上に直接見張り台が載っていたらどっしりと貫禄がある火の見櫓になっただろう。もともとどんな目的で造られた石造物なのだろう・・・。灯籠?

この火の見櫓には前から気がついていたがいままで路上観察する機会がなかった。今日ようやく観察の機会を得た。晴れた日の午前中に改めて写真を撮らなくては。


 竈神社の太鼓櫓


あの~ 今度はいつ?

2010-06-21 | A あれこれ
 今夜はビールしてます。で、アルコールなブログ。書くなら飲むな、なんですが・・・。

「龍馬伝」を恋愛ドラマとして観てます。ですから海軍操練所閉鎖という事態よりお龍さんと龍馬の関係がどう進展するかに注目です。

前回13日の放送で、龍馬がお龍さん家(ち)に身を隠した時、小さな兄弟たちと仲良く過ごしている龍馬を見たお龍さんは、既に龍馬の人柄に惹かれてましたね。

今回、龍馬の口利きで寺田屋で働くことになったお龍さん、接客に大切なにこやかな表情ができないというか、しようとしないんですが、龍馬のアドバイスで「う~み」と言ってました。今なら「チーズ」なんでしょうが。

龍馬って乙女姉ちゃんが大好きなんですが、あの気が強そうなきりっとした表情をお龍さんにも見たんですね。で、龍馬はお龍さんに惹かれちゃった。

お龍さんも龍馬が神戸の操練所に戻るというとき、「あの~、今度はいつ?」って訊くんですよね。これはもう完全に龍馬に惚れちゃってますね。スマイル練習で「す~き」って言ってたりして。いいな~もてもて龍馬。

もう佐那ちゃんのことも加尾ちゃんのことも忘れちゃったのかな。男って恋愛に関しては新しいホルダーをつくって新規保存するということですから(女は上書き保存だそうですが)、ちゃんと初恋の人加尾ちゃんも佐那ちゃんのことも覚えているでしょうね。加尾ちゃんとは一晩(だけだったかな)夫婦になったのですから。佐那ちゃんは一生龍馬を想って独身で通したんですよね。

お龍さんを演じている真木よう子には由美かおるに代わって、きっちり入浴シーンを演じて欲しいです。NHKさん、ここは史実に忠実に願います。他は都合よく変えてもいいですから・・・。



026 あっさり塩味

2010-06-20 | A 火の見櫓っておもしろい



026 松本市梓川 撮影日100605

 ラーメンにたとえればあっさり塩味。すっきりした印象の火の見櫓だ。

上方への絞り込みが直線的。脚部は上方と同じで、アングルとブレースによる構造。円形の見張り台にシンプルな円錐の屋根。フィニアル(頂華)もすっきり、シンプル。

梯子が接地していないのは、この火の見櫓が既に使われていないからだろう。半鐘は吊り下げられたままの状態。叩けばいい音がしそうだけどな。 


 追記:撤去され、現存しない。


電子書籍と紙の本

2010-06-20 | A あれこれ

 村上春樹の長編小説『1Q84 』が「紙の本」最後のベストセラーになるだろう。

やがて電子書籍が主流になり、紙の本は次第に売れなくなるだろうという予想を何かで読んだ(聞いた?)。電子書籍、確かに数千冊の本の情報が本のサイズの端末に収まってしまうというのは魅力だ。既存の本も含めすべての本が電子化されれば図書館の閲覧室は今までとは全く異なった様子になるだろう。書棚の無い閲覧室。情報端末だけが整然と並ぶ白い空間・・・、SF映画のシーンのようだ。

リアルな本の重さ、大きさ。紙の色、質、手触り。頁をめくるときの音。本のカバーや帯、しおり。バーチャルな本では消えてしまうこれらの情報。リアルな紙の本がすべてバーチャルな本になるとは思えない。それぞれの利点が生かされ、共存することになるだろう。

仮にどちらかを選択する、ということになったら私は断然リアルな紙の本を選ぶ。図書館の閲覧室だって、リアルな本に囲まれているということが魅力なのだ(アスプルンド設計のストックホルム市立図書館のように)。

自室が落ち着くのも本に囲まれているから。壁2面につくりつけた書棚に前後2列に並べても本が収まりきらず、他室にまであふれだしているような状態でも電子書籍がいいなどとは思わない。旅行に出かけるときだって紙の本を持っていく。

進化し続けるバーチャルな世界についていけない中年の負け惜しみか・・・。




ダーバンスタジアム

2010-06-19 | A あれこれ

 ワールドカップ・サッカー。日本はゲーム前の予想に反し、オランダにかなり善戦したが、0対1で負けた。残念! デンマーク戦に期待したい。

試合会場のダーバンスタジアムは造形的に美しい。上空からの映像が印象的だった。

長手方向に架けられた巨大アーチ、調べてみるとスパンは350m、高さは106m。アーチは南側では2本に分かれているが北側では1本にまとまっている。分裂国家の統一を象徴しているのだそうだ。なるほど。

このアーチに膜構造の屋根が吊り上げられている。とんがり屋根がいくつも並ぶ様は繰り返しの美学。膜構造を受注したメーカーの親会社は日本の企業(←写真参照)だ。

海外の大きな競技場の設計や施工が日本の会社というケースが少なくない。コンペで決まる競技場の設計には最先端の建築技術がフルに活用されている。

開催国の紹介と共に競技場も紹介されるといいのに・・・。


― 木を見る 森を見る

2010-06-19 | A 火の見櫓っておもしろい


山形村にて 100523

 半鐘を叩かなくなった今、火の見櫓はホース架けとして、あるいはスピーカー設置櫓としてかろうじて生き延びている。でもやがて取り壊される運命にあるから、今のうちに観察しておかないと。

この火の見櫓の屋根の形はどことなく和風。方形(ほうぎょう)屋根の勾配や反りの強さというか程度が、例えば五重塔の屋根と同じくらいなのかもしれない。どれどれ・・・


東寺の五重塔

四隅のまきひげ状の飾りは神輿にも付いていて「蕨手」と呼ばれるようだ。そうか、めでたい神輿の意匠を火の見櫓の屋根にもってきたのか・・・。

ところで火の見櫓の観察ということでは、近くで火の見櫓を構成している部位を観察することも必要だろうし、風景の中のシンボルとして遠くから観察することも必要だろう。木を見て森を見ないということ、森を見て木を見ないということのないように。

火の見櫓っておもしろい。


 


― フィニアル

2010-06-16 | A 火の見櫓っておもしろい


朝日村の火の見櫓

 西洋館につきものの塔、その先の空に向かって尖っている飾りをフィニアルと呼ぶ。火の見櫓の屋根の先の飾りもフィニアルと呼んでもいいだろう。頂華という呼び方もあるようだが、少し調べてみないとよく分からない。

この部分のデザインは色々、屋根の稜線のカーブも色々。制作者は屋根のデザインには特にこだわっていたのだろう。この部分だけを観察しても面白い。


「はやぶさ」

2010-06-16 | A 読書日記



 「はやぶさ」の地球帰還とサッカーの対カメルーン戦勝利。いいニュースが続いた。

サッカー、日本は少ないチャンスをものにした。終盤は防戦一方でハラハラしながらテレビを観た。でもまあ、内容がどうであれ勝ちは勝ち。次のオランダ戦はどんな試合になることやら。

「はやぶさ」が様々なトラブルを乗り越えて地球に戻ってきた。7年の長旅だった。本体は大気圏で燃え尽きたが、ちゃんとカプセルを地上に届ける役目を最後に果たした。「はやぶさ」に感情移入してよく頑張ったと涙してしまった。ああ、涙もろい中年。

*****

今から40年前、1970年にアポロ13号は到底考えられない事故(*1)に見舞われたが3人のクルーは奇跡の生還を果たした。

この出来事はドキュメントにまとめられ出版された。邦訳本が新潮社から出ている(『アポロ13号奇跡の生還』ヘンリー・クーパーJr. 立花隆訳)。

*1 **二つあった酸素タンクが二つともだめになり、三つあった燃料電池の二つがだめになり、二つあった電力供給ラインの一つが死んでしまったのだ。燃料電池がだめになるということは、エネルギー源がいっさいなくなるということである。** 訳者まえがきより引用。

「はやぶさ」がトラブルを乗り越えて達成した成果はアポロ13号に匹敵するという解説が昨日(14日)の朝刊に掲載されていた。

科学技術の継承というのは専門技術者の間で行われればそれでいい、というものでもない。一般市民がその内容にふれることがことができるかどうか、また市民がそのようなことを望むかどうか、国の文化度ってこういうところに現れると思うのだが。

『アポロ13号奇跡の生還』のように「はやぶさ」のプロジェクトの全貌を「読み物」としてまとめて欲しい。ネット上のばらばらな情報だけでは物足りない。