2008 03 30(日)
秩父観音霊場巡礼は六番札所へ・・・。
山肌に石垣を積んで造られた場所に建つ六番札所への参道に大きな石灯篭、その横に立てられた石柱には「日本百番霊場秩父補陀所第六番荻野堂」と刻まれています。 補陀所とは札所のことでしょうか?
坂道から急な石段を登ると第六番札所の向陽山卜雲寺(こうようさんぼくうんじ 通称は荻野堂、曹洞宗)の境内。
小高い場所ですから秩父の名山・武甲山が一望できます。
六番目の札所ともなると訪ねる人も少なく、六地蔵様も少し寂しそう・・・。
明治9年の火災の後に再建された卜雲寺本堂に梅の花が香ります。
本堂脇にテントの御接待所が設けられ、近隣のご婦人たちのサービスで茶菓子など振舞われました。 ここの漬物は実に美味絶品、作った人の真心が感じられます。
本堂(観音堂)の前に立つ願い柱から願い紐が堂内へ・・・。
一見願い紐は卜雲寺本堂正面の観音の御手に繋がっているようには見えませんが、良く拝見すると御手から伸びる細い鎖が願い紐に結ばれているのです。
卜雲寺聖観世音菩薩像の由来は「天平時代に里人を苦しめていた山姥が武甲山に棲んでいました。この地を訪れた僧行基が山奥に入り山姥を懲らしめ改心させると、山姥は二度と悪さをしないと前歯1本奥歯2本を折って誓いました。その証として行基は観世音菩薩を彫って里人に与えたそうです。行基の観音像は武甲山の頂にある権現堂に祀られ里人は平安を得ました、その後の時代に卜雲寺に移動安置されたのです」。
向陽山卜雲寺にも「秩父三千女」寄進の大きな奉納額が掲げられていました。
禅客と題した奉納額には「一人の禅客来りて六年の間和歌の工夫せしが、ある日誰とも知らぬ一首の和歌を詠じ、禅客この一首を聞き忽ち無常迅速の理を悟り、其の声の処を尋ね見れば一株の荻の下に詠歌の短冊あり、誠に観音の霊感なりと多くの人々霊験を蒙り、今の荻ノ堂を建立繁盛の地となれり」と。
向陽山卜雲寺境内には穏やかな春の陽を浴びて小さな薬師堂が建っていました。
霊験ある有り難い薬師如来像を拝んで病気退散・延命長寿を祈願します。
江戸時代の宝暦12年(1762年)に江戸神田昌平橋通りに居を構えた小嶋源左衛門寄進による聖観世音菩薩石像。 長年の風雨で痛々しいお姿に・・・。
可愛らしい地蔵様は近年に作られた合掌地蔵尊。「子孫繁栄・家内安全・交通安全・願望成就」諸々の願い事を引き受けて下さいます。
こちらも御地蔵様で、名前は“ねがい地蔵尊”。
徳川八代将軍吉宗の治世、この地方に流行った疫病を平癒祈願する為に地元の平沼与左衛門が1737年(元文2年)6月16日に建立。
今では子育て・身体健全・延命が叶う“ねがい地蔵尊”として近隣の信心を集めています。
卜寺雲境内の一角には朱塗りの“卜雲寺稲荷”。 神仏混交の名残でしょうか?
卜雲寺薬師如来堂に鎮座する薬師如来像は特に眼病に効くそうで、絵馬にも薬師如来と“め”の文字が・・・。
第六番札所の向陽山卜雲寺の御詠歌「はつ(初)秋に 風吹きむすぶ 荻の堂 宿かりの世の 夢ぞさめける」。
兜に似た山容を誇る名山・武甲山を眺めながら次なる七番札所へ向かいます・・・。
2010 04 02(金)記。 前橋市薄 最高気温16.7℃ やっと春らしく・・・。
おまけコーナー。
小さな事で悩まないで気宇壮大な宇宙の星をご覧あれ~~!
星の大きさ 日本語付
お花見弁当を召し上がれ・・・。
日本料理の老舗・なだ万「春うらら弁当」1890円。