哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

古今集第二百七十二番秋風の(書)

2012-05-16 05:54:34 | 
秋風の吹きあげにたてる白菊は
花かあらぬか波の寄するか        紀貫之

 吹き上げの浜はその名に背かず、きょうも秋風が吹きまくっている。あそこに見えるのは白菊の花だろうか。寄せては返す波が花に見えるのだろうか。

三木市大宮八幡宮(写真9

2012-05-15 06:15:00 | 写真
道問えへば八幡さまはすぐそこと
親しみこめて老女は返す       樋田哲仙

 観光案内所の簡略マップを見開きながら進むので大きな間違いはないが、距離に正確さはないので、もう出てきてもよさそうなものだと思うことがある。なかなか人に出会えなくて困ることもある。八幡宮はどこかと、腰の曲がった老女に追いついて尋ねると、八幡さまなら直ぐそこだよと教えてくれた。土地の人は「さま」をつけて親しく呼んでいるようだ。

タケノコとタマネギ(墨彩画)

2012-05-14 06:09:21 | 墨彩画
ささやかな喜び一つ食卓に
頂きものの早生の玉葱       樋田哲仙

 どの作物にも早生の品種がるものだ。先日早生のタマネギを頂いた。時期が早すぎる。普通種の収穫は梅雨時で、おう少し遅い。一度家庭菜園で普通の品種を作付けしたことがあるが、肥料不足で、まともな出来には至らなかった。頂き物のタマネギは切っても涙も出なく、味も変わらない。保存は風のぬける陰干しをしておくと長持ちもする。 にほんブログ村 美術ブログへ

三木市雲龍寺8写真)

2012-05-12 06:08:32 | 写真
吾一人趣くままの行く先に
立ち寄りみたき予期もせぬ社寺        樋田哲仙

 ふらりと旅に出るのに見知らぬ土地も案外楽しいものだ。まず、観光案内所へ立ち寄り、簡略マップを探し出して行き先を決める。そのとき、必ずと言っていいほど社寺が紹介されている。その土地では名のあるものばかりで、地図だけでは分かりにいとき、道行く人に尋ねれば即答される。由緒、格式それに歴史に触れることが出来る。これが楽しい。

緑を増す新緑(水墨画)

2012-05-11 06:22:32 | 水墨画
風吹けば木々のそよぎは漲りて
緑ましゐる五月の半ば       樋田哲仙

 新緑の目に優しい期間は極めて短い。4月下旬に灰色から一変して萌えたつ春を実感するのだが、5月中旬には、もう緑は随分濃くなってきている。遠くの山並みも公園の樹木も変化は明らかだ。二十四節気は1年を24に刻んでいて2週間で移る。季節の移り変わりを暦は良くぞ捉えているものだ。 にほんブログ村 美術ブログへ

三木市立三木小学校子午線標柱(写真)

2012-05-09 06:54:50 | 写真
知るほどに狂ひあるらし子午線は
信じてよしか信じて否か        樋田哲仙

 明石市立天文科学館は日本の標準時となる東経135度線が走っていることになっているが、どうも狂いがあるらしい。現在はGPSの発達で測地には日本測地系と世界測地家があり、前者では西約370㍍、後者では西約120㍍に東経135度線があるらしい。三木市立三木小学校に建つ子午線の標柱も約西5メートルにあるらしい。日本各地に建つ51の標柱も狂い、これでは何を信じてよいのやら。

美しい新緑の山(水墨画)

2012-05-08 05:47:10 | 水墨画
新緑の目に柔らかく山道に
車を止める視界開けて      樋田哲仙

 五月の大型連休も終って通常に戻った。テレビでは鉄道、航空、フェリ、道路の激しい混雑は毎回のことである。きょうからは通勤客の出勤と変わる。当方は毎日が日曜日で仕事とはかかわりのない日々を過ごしている。それでも気晴らしに新緑を求めて車まで山へ出かけた。新緑は目に優しく心が洗われる。沿道の樹木が途切れて視界が開けると車を止めたくなる。 にほんブログ村 美術ブログへ

播磨の国三木城址(写真)

2012-05-06 05:47:00 | 写真
諸人の命にかへて己が身の
散るを厭はず別所長冶       樋田哲仙

 播磨の国三木城址を訪ねた。城主別所長冶は秀吉の毛利討伐の助勢を求められたが、拒否して抗戦となった。2年の篭城戦も、遂に抗しきれず。自刃の際部下の命乞いをしてわが身の落命とした。若干22歳の辞世は「今はただ恨みもあらじ諸人の命にかへる我が身とおもへば」を残し、自然石の歌碑が建つ。石垣も濠もない小藩であったが、今も、三木市民の敬愛の念は消えていない。

長雨で濁りの川(水墨画)

2012-05-05 08:03:48 | 水墨画
梅雨前の雨の続きてどの川も
ひどき濁りに流れの早し       樋田哲仙

5月の連休中は晴天が多いが、今年はすっきりしない。近くの川では水量を増して濁り、音こそしないが流れが早い。川岸の樹木の新緑が鮮やかに目に映る。1年で最も輝く季節である。遠くの山並みも濃淡の緑が模様を作り出す。俳句で山が笑うと表現する季語はこの季節である。とりわけ、落葉樹の新緑はどの樹木よりも目に優しい。 にほんブログ村 美術ブログへ

みやまの里ふじまつり(写真)

2012-05-03 06:03:52 | 写真
山を縫ふ長き藤棚上り行く
虫の羽音の騒がしき中        樋田哲仙

 和歌山・日高川町に日本一長い藤棚(1646㍍)があると聞いて、29日(日)に出かけた。その「みやまの里ふじまつり」まで120㌔の長距離の山奥である。フジの咲く期間は短く盛りに出かけるのは難しいが、近所のフジを見て推察できる。少し早めであったが、堪能できた。山頂まで急な階段と緩やかな二つのコースがあり、整備された藤棚である。今年で14回目となり、着実に整えたのだろう。

カジカガエルの鳴く川(水墨画)

2012-05-02 06:22:14 | 水墨画
待ちきれず春から鳴くか谷川に
カジカガエルの勇み立つ声       樋田哲仙

 ガジカガエルは谷川の岩間に棲む。少し苦しそうに鳴き、楽しそうとはとてもいえない。だが、涼感があり、谷川の流れの音の中に聞くと旅情が増す。先日、普通の川で聞いて驚いた。もっと遅い季節と思っているので早すぎる。カエルは田植えごろが最もはげしく鳴く。カジカの生態は知らないのでこれは不思議でないかもしれない。 にほんブログ村 美術ブログへ