くれなゐといふ重さあり寒椿 鍵和田釉子
カンツバキに、もし、色がなければ存在すら否定されてしまう。くれないの色を持つことで花としての威厳を保ち、人に観賞されるのである。それを重さと表現し、物理でいう質量はどこにもない。この句のツバキは野外に植栽されたものではなく、生花として座敷の床の間に飾られたもので、詫び、寂びの世界を醸し出しているようだ。
カンツバキに、もし、色がなければ存在すら否定されてしまう。くれないの色を持つことで花としての威厳を保ち、人に観賞されるのである。それを重さと表現し、物理でいう質量はどこにもない。この句のツバキは野外に植栽されたものではなく、生花として座敷の床の間に飾られたもので、詫び、寂びの世界を醸し出しているようだ。