キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

アウアーバッハスケラーと森鴎外(ライプツィヒ)

2018年08月20日 | ☆旅行-2018中欧の旅
旅行中に消化しきれなかったことを少しずつ復習中です。


到着2日目、ライプツィヒでの昼食は全員で歴史のある店に連れて行ってもらいました。

アウアーバッハスケラー。
AUERBACHS KELLER

かのゲーテも通った店で、彼の代表作「ファウスト」にも登場するのだそう。店の前にはファウスト&メフィストフェレス像などもありました。



店はメードラーパッサージュというアーケード街の地下にあります。このアーケードは、日本のとはちょっと違って建物の中にあるような作りで、ミラノのガレリア(ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア)を模して作られたらしいです。パッサージュは20世紀の建造ですが、地下にあるこの酒場はそれよりもうんと古く、1525年にできたのだそうです。当時から地下なのはなぜだろう??






団体なのでセットメニューです。
この旅行初めての外ご飯。特大ボリュームの洗礼を受けました。美味しかったけど。ドイツの黒いビールも飲みました。


前菜


メイン


デザート

さて、このお店は古くからあるビール酒場といった趣で、銀座ライオンなんかとも似ています。(ライオンがドイツのを真似たのは明らかですね)天井や壁にはアーチがたくさんあるのですが、その中の一つに、森鴎外の絵がありました。(写真は同行者にいただきました)



下調べもせずに来てしまったので、鴎外の絵のことなど全く知りませんでした。絵があるということは鴎外がこの店に来たんだろうと思いましたが、それ以上の詳しいことはわかりません。なぜに紋付き袴なのかとか?

帰国して調べました。

鴎外がドイツ留学中にこの店に来ていたのは間違いないことでした。ドイツでは、まずライプツィヒ大学で学んだのだそうです。当時からきっと名店として有名だったのでしようから、何度となく足を運んだのかもしれません。そして鴎外はこの店で友人と飲んでいるときに「ファウスト」を翻訳することを考えるのです。そして、実際に大正2年に翻訳出版しています。

絵の中の紋付き袴は、晩年の鴎外がライプツィヒ当時の若い頃を回想している様子なのだそう。軍服が当時の鴎外、中央の洋装の男性は鴎外の友人の哲学者、井上哲次郎。彼と一緒にこの店を訪れて、ファウストを漢文で翻訳したら?とか話したんだとか。絵の中には、ファウストやメフィストフェレスも出てきますね。


この研修旅行、ご飯食べるところも手抜きなく厳選されてます。
勉強になるなぁ。
でも、もっと調べて行けばよかった。
この店のホームページには日本語版があって、どうも、店の売店では森鴎外の「独逸日記」が売られていたらしいです。森鴎外にあまり関心がなかったので、スルーしてしまいました。


鴎外のドイツ留学について詳しいレポートがあります。丹野義彦という東大の先生のものです。この壁画についての解説も詳しいです。

森鴎外のドイツ留学を辿ってみよう~ドイツ アカデミック街道を歩く
丹野義彦 (東京大学教養学部心理・教育学部会)


友人がこのレポートの存在を教えてくれたのですが、なんと彼女の曾祖父様は、鴎外と同じ頃ドイツ留学していたのだそうで、鴎外の「独逸日記」にも登場するんだそうです。
すごーい!!

自分でアンテナを張っていくと、いろいろなものが身近にあるということに気づかされます。

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