昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

言葉(34)進歩

2016-04-28 06:15:56 | 言葉
 先日AI(人工知能)囲碁アルファが世界最強のトップ棋士のひとりに勝って話題になった。
 将棋界ではさらに実際に駒を自在に扱って相手をするロボットが現れた。
 
 新たに開発したグリッパーで駒をつかみ、裏側に回転させて成駒にすることが可能になったのだ。
 
 
 科学はあらゆる分野で年々進歩している。
 中国は、遺伝子科学や生命科学の分析の応用において、世界の超大国になると決意しているようだ。
 
 北京ゲノム研究所(BGI)では、すでに50種類にのぼる動植物(カイコ、パンダ、ミツバチ、イネ、大豆など)と1000種類以上の細菌のゲノム解析を終えている。
 しかし、中国がなにより注力しているのは、生命科学や関連分野の新たな飛躍的な進歩によって操作できる可能性が生まれつつある、人体の中でおそらくもっとも重要で、間違いなく最も興味深い部分であるようだ。
 つまり、人間の脳と、人間の知能の向上およびより生産的な活用である。
 この目標に向かって、BGIは2011年、深圳に中国国立遺伝子バンクを創立した。
 このバンクでBGIは、知能の決定に関わる遺伝子を特定すべく努力している。そして中国2000人の児童(国内最高の学校に通う神童1000人と、標準的な知能をもつと見られる児童1000人)の完全なゲノム解析を行い、その結果を学校の成績と比較している。

 古来、コペルニクス、ガリレオ、ニュートンなど、科学革命に着手した人たちの発見は
「神の役割や神のおぼし召しがどうであろうと、知識の成長が人間社会における進歩を必然にする」という確信に火をつけることになった。
 フランシス・ベーコンも、人類の未来への旅を言いあらわす際に、誰よりも「進歩」という言葉を強調し、自然を征服し、支配し、制御することをとくに強調しながら人間の進歩について書いた人たちの先駆けとなった。
 

 デカルトが心は自然と切り離されていると信じていたのと同じく、ベーコンも、まるで私たちが自然と切り離されているかのように書いたのだった。
 数世紀を経た今でも、この哲学の誤りは正されていない。
「私たち自身は地球の生態系から切り離されている」という暗黙の前提があるせいで、私たちはしばしば、地球との切っても切れないつながりから生じる現象に驚く。
 そして、私たちの文明の力が指数関数的に大きくなるにつれて、その驚きはますます不愉快なものになりつつある。(「アル・ゴア未来を語る」から)


 アメリカのコンピューター学者、ヴァーナー・ヴィンジは「来る技術的特異点」のなかでこう記している。
「30年以内に、私たちは超人間的な知能を生み出す技術的手段を手に入れるだろう。その直後に、人間の時代は終わる」
 

 まさにその知能の「特異性」により、人類は、巨大化した恐竜と同じ運命をたどることになるのだろうか?
 
 
 




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