昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(491)ゴルフ場での思わぬ出会い

2017-06-30 01:58:40 | なるほどと思う日々
 昨日は、友人K医師のゴルフ場での見知らぬ同伴者から何年も前の記憶が蘇るお話だったが、ゴルフ場での出会いと言えばボクにも忘れがたい想い出がある。
 ボクは社会人だったころ、あの名門茨城ゴルフ倶楽部の会員だった。 日曜日は毎週のように出かけたものだ。
 その日のパートナーの一人は黄色いシャツのずんぐりとした体形の、一見ヤーさん風のおっさんだった。
 御年は74歳だという。
 もう一人はこれも68歳のおじいさんだった。
 当時ボクはまだ58歳、最も元気なころだった。
 プレイの内容は覚えていないが、昼食時の会話が強烈な思い出として残っている。
 74歳のAさんは東北帝大出の荒川の開業医。
「血圧が高いので、ゴルフをやらないと体重が増えてしまって・・・。糖尿なので嫁が作る食事は薄味でまいっちゃうんだよな・・・」などと言いながらサラダに醤油をかけて食べている。
 典型的な「医者の不養生」だ。
 
 もう一人の68歳のOさんは、元蝶理の商社マンだったそうだが、食事の手はそこそこにしゃべる、しゃべる。
「カナダには3年いましたが、3年もいると自然と女に声をかけられるようになる。といっても相手は売春婦じゃなくて・・・。もちろん人妻や恋人のいるのはダメですが結構楽しめました」
「・・・」
「南アフリカはひどいところで、盲腸の手術をしなくてはならなくなったが、白人ではないので普通の病院には入れてもらえない」
「・・・」
「なんとか産院で、白人が手術をしてくれたんだが、術後、腸が腫れてきてホッチキスで止めてある傷口から膿が出てきた。トレーが一杯になるくらい出る。急遽帰国することになりまして・・・」
「・・・」
「それこそ死ぬ思いでした。奇跡的ですが、膿が隔膜に達していなかったので助かりました」
「・・・」
「死ぬ思いをしたことは他にも何回もあって、例の大阪のキャバレーなどの雑居ビル大火災の時も、行くはずがひょんなことで行けなくなって命拾いしたり・・・」
 他の2人は「お先に・・」とか言ってうまく席を外したが、ボクが捉まってしまった。
「交通事故で正面衝突しそうになったり・・・」
 まだまだ続きそうなのでボクから話題を替えた。
「うちの別荘は蝶理さんのですよ」と言ったら、(当時はボクも別荘持ちだった・・・)
「どこですか? 富士ですか? あそこは自分が手がけた所で、センチュリーというのはアメリカの有名なホテルから取って付けた名前なんですよ」だって。
 
 なんという奇遇!
 結局ぼくらは後半のスタートに遅れて、前が空いてしまった。